2018年5月31日木曜日

大義とミッション

昨日の夕方から異業種交流会主催の女性経営者による講演に参加しました。東京、神奈川、千葉、埼玉地区の女性経営者の代表が合同で企画したものでした。講演者は元リクルート社員で起業して25年のベテランの経営者でした。既婚者で子持ちという家庭環境の中で、今では考えられないような苦労を積み重ねて今日があるという印象でした。関東を中心に活躍している女性経営者の集まりでしたが、昨今の時代の変化もあり、彼女たちの勢いを膚で感じ取りたくて参加しました。講演の内容は極一般的な内容でしたが、その中で印象に残ったのが、会社経営の「大義とミッション」という言葉でした。日大のアメフトも、優勝を目指そうというミッションは間違っていませんでしたが、大義に至るプロセスに欠落したものがありました。学生のスポーツに関わらず、会社の経営や事業においても「大義とミッション」はとても大切なものです。何故、会社経営をしようと思ったのか、経営する際してのミッションは何か、両者の考え方がチグハグで曖昧だと結果として道を誤るということです。今年は全国的な規模で女性経営者の会が開催される予定のようです。きっと男女の格差を論じる時代は過ぎ去っていくことでしょう。

2018年5月30日水曜日

平成30年

あと一年で平成の時代が終わります。新たな元号の時代になって、'20に東京オリンピック・パラリンピックを迎えます。それまで安倍政権が続いているかどうか分かりませんが、時代は大きく変わる可能性があります。今朝、堺屋太一さんと又吉さんの対談を興味深く聴きました。又吉さんの世代が私の長女とほぼ同じなので、当時の社会情勢を思い出しました。堺屋さんは私の好きな評論家でもあり、作家でもあります。バブル崩壊真っ只中に小渕政権の経済企画庁長官に就任されましたが、日本経済は大変な状況でした。官僚主導からの脱却の為、民間からの閣僚の登用により改革が期待されましたが、小渕首相の急逝により進みませんでした。しかし、後の小泉政権で大胆に構造改革は進みましたが、また官僚主導に逆戻りして現在に至っているようです。かつて堺屋太一さんが執筆された「平成30年」の予想は、今日に至り見事に的中しました。



ひと時

先日、1,2年ぶりに普段通過している武蔵小杉駅に下りました。たまたま夕方から異業種交流会での講演を聴く予定にしていましたので、その前に軽い夕食をと会場近くの蕎麦屋さんを漸く探して入りました。17時頃だったので店内は静かで、年老いた店主はボーとテレビに目をやっていました。「やっていますか?」「どうぞ」「ざる蕎麦もらいますか?」「ありますよ」と軽い対話の後に、私のほうから口火を切って話しかけました。蕎麦屋を営んで48年で、近く道路新設の立ち退きの為に閉店するということでした。昔、町内には10店以上の蕎麦屋があったが、今でも残っているのは自分の店だけで、商売の難しさを語っていました。自分の代で終わろうと思っていたら、40過ぎの息子が後を継ぐと言い出し、此処は地価も高いので新たな店は今の武蔵小杉から離れるようです。蕎麦もうどんも自前で打っていると、白髪の老人店主も少し自慢げに話していました。会話がしばらく弾みましたが、私も先の予定があり、会話の余韻を残しながら店を後にしました。10年以上も続く武蔵小杉駅周辺の再開発は人々の動きも町の佇まいも変えているようです。閉店前にもう一度機会があったら、店主の老人と再会したいものです。作り手の気持ちのこもった、とても美味しいお蕎麦でした。

2018年5月25日金曜日

人間性

連日のように人間性が問われるニュースが多いのですが、何故、執拗に人間性が問題視されるかと申しますと、国も学校も企業も家庭も、上に立つ人の人間性で社会環境が如何様にも変わるからです。戦後、日本の置かれた立場を考えるにも近代歴史に学ぶことは大変重要ですが、残念ながら戦時中の重要な公文書は敗戦とともに軍により多くが焼却処分されたようなので、日本の近代史を分析しようにも容易でないことが分かります。公文書偽造も上場企業の粉飾決算も、多くの人を欺くことになりますので、トップの責任は社会的な使命を担っているが故に、決して免れることができない罪だと思われます。人間社会において人間性を育むことは最も重要なことですが、これはその人の持って生まれた遺伝子や幼少時の家庭環境に拠るところも大かと考えるわけです。しかし、世の中には人間性に優れた立派な人は数多く存在しますので、機会を見つけて自叙伝などを読んで人間性に学ぶと良いと思います。

2018年5月24日木曜日

道徳

つい少し前に、鎌倉の円覚寺に小津安二郎監督の墓地を訪ねた話をしましたが、昨日の新聞のコラムに小津氏の言葉が載っていましたので、あらためて書いてみたいと思います。「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う」と。最近、重大なことなのに不道徳に振舞うので周囲の信頼を敢えて損なうケースを見かけます。特に不用意な発言が問題を度々起こしているのも事実です。逆にもし自分の家族に周囲から問題発言が投げかけられたら、自分自身はどう感じるかと考えれば、人に対する発言が言語道断であることも理解できるはずです。指導者たる人であれば、責任逃れをせずに選手をかばうのが当たり前ですが、自己弁護ばかりするから信用を失うものと思われます。小津監督や原節子さんの時代には私はまだ幼児でしたが、時代を超えても立派な人は立派で、いつまでも多くの人から慕われます。又機会があったら墓参りをしたいと思います。

2018年5月23日水曜日

2017.8.22

先日、世界的な冒険家である栗城史多(くりきのぶかず)さんが、エベレスト登山中に亡くなられたという衝撃のニュースを耳にしました。昨年、初めて彼の講演を聴いた時、帰り際に「弱者の勇気」という栗城さんの書籍にご本人から直々サインをもらいました。本当に記念すべき書籍を手に入れたのですが、まさか1年も経たないうちに、あっけなくこの世を去られるとは想像すら出来ませんでした。冒険家は何故、極限のチャレンジに挑むのか私たちには到底考えが及びませんが、書籍に書かれている副題の「小さな勇気を積み重ねることで世界は変わる」というテーマがとても印象的です。また、僕らを生きにくくする言葉たち、を彼は「限界」「孤独」「無駄」「比較」「時間」「お金」と表現していました。確かに、この6つの言葉に普通の人間はとらわれすぎているのかもしれません。36歳で人生の幕を閉じた冒険家、栗城史多氏の歩みを忘れないで、私自身もこれからの人生の糧として生きていきたいと思います。タイトルは昨年の講演の日にサインされた日付です。謹んでお悔やみを申し上げます。

2018年5月22日火曜日

しらばくれる

最近、世の中の様子で疑わしきことが多すぎる感じがいたします。物事に対して謙虚な姿勢であればいいのですが、「しらばくれる」人が目立ってきているような気がいたします。真相解明に時間が掛かりすぎるのも「しらばくれる」という人間の性格があるからではないでしょうか。事実はひとつなので事実を正確に話せば済むことなのですが、事実を隠そうとすると、事実を解明する側は調査に多くの時間をかけることになります。多額の国民の税金が日々使われていることを官僚社会はどのように考えているのでしょうか。「正直者は馬鹿を見る」という言葉がありますが、悪賢い者がずるく立ち回って得をするのに反し正直な者はかえってひどい目にあうことを意味したり、世の中が乱れて、正しい事がなかなか通らないことを言いますが、大岡越前のように上から裁断を下す人がいないものでしょうか。犯罪者も当初は「しらばくれる」人が多いように思います。最近は防犯カメラや監視カメラがあちこちに設置されて映像が証拠となりますので、以前に比べて言い訳が出来ず、少しは犯罪防止に役立っているのでしょうが、残念ながら昨今の状況を見ると不誠実に感じる人が多くなっているのも事実のように思われます。

2018年5月21日月曜日

労働人口

今、産業界全体で人手不足が叫ばれています。昨日のNHK特集でも、シルバー人材センターへの企業からの求人が急増している報道もありました。日本の人口構成は、少子化と共に団塊世代の高齢者が年々増加し、棺桶型と呼ばれています。かつてのバブル時代と比べて労働人口も3500万人減少すると言われており、人口の25%が過去から労働人口が減少していることになります。その労働人口の穴埋めを外国人労働者や高齢者に求めようと考えられています。しかし、一方では健康保険料からの高齢者医療への拠出金で健康保険組合も運営が成り立たなくなってきているところが多いと言われています。国の歳出の大半を社会保障費が占めていますが、その割合も年々増加しています。人口構成が将来の経済に大きく影響することは30年前から予測されたはずですが、国の対策はあまり取られてこなかったように感じます。できることならば企業の定年制を廃止して、就業者が希望により自由に働ける労働環境の整備が必要だと思います。大企業は採用と定年で急な成長は望めないので、中小企業が積極的に人材を採用して企業を活性化して成長を目指すべきだと考えます。そこに第二の人生を賭ける大企業の経験者を上手く生かすべきではないでしょうか。

2018年5月17日木曜日

事業承継

弊社に限った事ではありませんが、この一・二年、事業承継絡みのM&Aを提案してくる会社が増えています。企業の概要データは世の中に丸見えなので、弊社にも様々な専門会社から驚くほどM&Aのリクエストがあります。オーナー経営者なので業者からダイレクトに狙われるようですが、既存の社員のことを思うと、自分だけの事情ではないので甚だ難しい問題です。弊社も外部から見ると優良企業の一社だと思いますが、まだまだ様々な面で成長過程でもあります。これから更に会社を成長させることの出来る後継の人材というと、残念ながらまだ今のところ私の周囲には見当たらないので、現下としては頭の痛い問題でもあります。しかし、私も若くないので、近々に後継者を育てることは、オーナーとしての私の使命でもあります。近い将来、良い形で後継者にバトンタッチができれば幸いです。

2018年5月16日水曜日

交流

人は年齢と共に外見は変わりますが、何年経っても声は変わらないようです。35年ぶりに電話で話したかつての上司も声を聴いた感触は昔と全く変わらないので驚きました。先週末は札幌にて、かつて職場でお世話になった先輩方を含めて10名あまりで会食をしました。外見はお互いにかなり高齢化が進んでいましたが、声は昔のままなので、皆、懐かさで盛り上がりました。まだ他の業種で仕事をしている人、あるいは引退している人など様々ですが、健康でさえいれば、現役で働けることは大変幸せなことです。皆、現役時代は休みも殆ど無く働き尽くめでした。一緒の職場で働いていた先輩方の中にも亡くなられた方が増えてきました。1年はあっという間に過ぎ去りますが、10年単位で世の中は次第に変化することを実感いたします。20年、30年も経過すると家族の形態も、友人・知人の関係も変わりますし、毎日の通勤電車の人の顔ぶれも世代交代します。人との交流も後々後悔しないようお互いに元気なうちに行うべきだと思います。

2018年5月15日火曜日

変遷

先日、札幌へ行って来ました。札幌は私が好きな都市の一つです。40年程前、新卒で札幌赴任を命じられた時は唖然としました。私は九州出身なのに全く逆方向へ社名を受けたからです。初めての北海道は、上空から見た印象が暗黒の地へ上陸するようなものでした。しかし、札幌で9年間ほど生活したのですが、一生住んでも良いところだと思いました。よく、札幌に赴任する時は涙して、札幌から本州へ転勤する時も涙すると言われていました。それほど日本離れを感じる素晴らしい土地でした。当時、住んでいる駅前の近くには馬が飼われていたり、住宅地はちゃんと区画整理されて綺麗なものでした。しかし、30年ぶりに訪ねた時は、残念ながら駅前の静かな光景もごちゃごちゃした印象がありました。大通公園も、当時はのどかな子どもの遊び場のような所だったように思います。多分、北海道経済がピークの頃だったようです。まさか拓銀が倒産するとは、当時のイメージから想像すらできませんでした。今思うと、変遷した札幌も良い思い出ばかりが残っている土地です。

定休日

小売業の定休日は火曜日が多いようです。はっきり理由は分かりませんが、日曜日に宿泊した客が翌日に買い物をして帰るからではないでしょうか。火曜日は営業を休んで、水曜日から週末にかけてのセールを準備するからだと思います。意外に月曜日には買い物客が多い事に気が付きます。火曜日が定休日なので、月曜日は駆け込み需要があるとも言えます。つまらない話ですが、旅行業を中心としたホテルなどのサービス業も月曜日まで集中して商いが考えられているようです。しかし利用する立場からは、月曜日は意外と穴場かもしれません。休みの取り方にもちょっとした柔軟な考えが必要なのかも、と思った次第です。今回も中国や韓国など海外からのインバウンド消費の強さを感じた数日でした。

捲土重来

まさかの出来事であります。マレーシアで92歳のマハティール元首相が国政のトップに再登場しました。今年初旬、マレーシアの総選挙でマハティール氏が野党連合を代表して首相を目指している事をニュースで知りました。とかく日本国内の政局にばかり目が行っていると、私たちは微妙に変わりつつある海外の政治の動向に鈍感となりがちです。マレーシアも前ナジブ政権が長期化し、政治腐敗が目立ち、国民の不満が頂点に達したようです。首相の任期は5年で、2年後には新しい後継者と交代を目指すという事のようですが、保守政権が長く続いた国でもあり、今後のマレーシアがどのように変わるのか注目です。アジアの一員である日本も、国民世論がもっと政治に反映しなければならないように思われます。これこそ正に、野党連合の革命的な捲土重来の出来事ではないでしょうか。

2018年5月10日木曜日

人間は死ぬのは簡単ですが、長生きするのは難しいものです。しかし、現実には平均寿命が延びて、長生きしている方が増えてきているのも現実です。日常、幼い子供さんが死亡するニュースを聞くたびに、悲しい思いと将来がありながら亡くなる命が甚だもったいないという気持ちになります。どうして子供の危険な行動を親は止めないのか、どうして幼い子供の命を奪うのか、本当に理解に苦しむことが多い昨今です。人の寿命はまちまちで、同年代でも同時に死に至ることはあり得ません。しかし、若かろうが年老いていようが、生存から死に至るプロセスは皆違います。会社も倒産するのは簡単ですが、長年経営を維持することは難しいものです。会社が倒産する原因は大体同じようなものですが、倒産しないようにどのように経営するかは、人間の命ほどの難しさは無いような気がいたします。ひとつは昇格や異動人事で人材の入れ替えを図り、企業組織に活力をもたらすことで多くの会社は若返るのだと思います。会社の寿命は30年とかつて言われていましたが、近年は100年企業も随分増えてきています。長生きの秘訣は人間も会社も同じ理由ではないかと、この頃ふと考えたりします。

施し

普段、人から施しを受けることが、人に施しをすることより多いようで気になります。相手からは御礼だと言われるのですが、当の本人である私はあまり自分の行為を覚えていないのです。しかし、人から施しを受けると、いつか返さなければという負担を感じます。多くの人を見ていると、自分は人への施しがまだまだ足りないということが分かります。多分、ケチというより家内から指摘されるように貧乏性なのかもしれません。お世話になった人への感謝の気持ちも、まだまだ自分としては足りないような気がします。今週、40年振りにかつての会社の先輩方にお会いする機会があります。どんな施しをすべきか、先輩の話を聴きながら勉強したいと思います。何事も「後悔先に立たず」ですから。

2018年5月7日月曜日

季節感

全国的に天候に恵まれた五月連休も終わりました。今年は桜前線もつかの間に北上し、北海道の花見も例年より早く、五月連休中だったようです。異常気象で自然界の秩序も乱れてきているのか、今朝は通勤時にコスモスの花を見かけました。別称アキザクラ「秋桜」とも言いますが、梅雨も来ない今の時期なのに、あまりに季節感が隔たり過ぎて、驚いてしまいます。おそらく今年も長くて暑い夏になりそうな気がします。再生エネルギーによる発電の割合や需要も年々増えていますが、既存の大手電力会社による買取期限(10年)が近づきつつあり、国は今後の電力不足をどのように補おうとしているのか不明です。夏の電力消費量がこれから先も確実に増えるのは間違いありません。ですから、もっと自然エネルギーに力を注いで再生エネルギーとして活用すべきだと思うのですが、まだしばらく石油や原発に発電を依存する政府の考えは変わらないような気がします。今後、さらに灼熱の太陽が照り付ける我が日本列島で化石燃料の使用量を減らし、太陽光などの自然エネルギーを推進しない手は無いと思います。これからも季節の循環が早くて四季が偏重を来たしているので、暑い夏への庶民レベルでの対策が必要です。

2018年5月2日水曜日

一般に運が良いとか悪いとか言いますが、人生は運が良いばかりでなく、必ず代償もあります。神様は最後は皆を公平に一生を遂げるように導いてくれるものと思われます。信心過ぎかもしれませんが、あまり深く考えずに前向きに行動したいものです。しかし、運は寝ていても天から降ってくることはありません。ビジネスでの運は、日頃の行動の結果もたらされるものだからです。勘に頼るばかりでも駄目ですし、努力も効果的でなければ成果に結びつきにくいということもあります。結果的に運が良い人とは、人生における人との出会いを大事にする人だと思います。