2024年5月17日金曜日

情報の入手

 マンション生活をしていると隣近所の様子がわからないというのは今日でも珍しい事ではありません。特に個人のプライバシーに触れようとしない文化が都会の生活には根付いています。閉ざされたマンション生活の中でも私は比較的に付近の住民情報を掴むところがあります。つまり、同じ住民と普段から親しく会話を続けていれば自ずと知らない情報も入手できるものです。

私は仕事で殆ど家にいないのですが、毎日自宅で過ごす妻よりも寧ろ私の方が耳よりの情報を知っているようです。情報を入手するのはビジネスでの場合と同じです。ビジネスでも普段から対外的な人付き合いをしていなければ情報の入手は困難です。若い時から飛び込み営業をしていましたので、私自身は顧客の新規開拓はさほど苦になりませんでした。

マンションなどの住民からの情報もビジネスでの顧客情報も自分の足で開拓して得られるものです。ネット世代は何でもネットから情報を得られると勘違いしていますが、貴重な情報がネットで必ずしも得られるとは限りません。寧ろ手に入れたネットの情報は時期的に遅いのが普通です。世の中には仕事を楽にするネットのツールが溢れていますが、誰でも使うので競争に勝てるわけがありません。


2024年5月16日木曜日

注意喚起

 金銭にまつわる窃盗や詐欺事件が近年絶えない世の中ですが、NHKテレビでも連日のように「ストップ詐欺被害、騙されない!」と視聴者に向けて注意が喚起されています。他人事のようにニュースを聴いていたのですが、親戚にまさかという事態が起きてしまいました。親戚から至急電話をほしいとスマホや固定電話に何度も着信がありましたので、数日前ににこやかに話したばかりなのに何事が起きたのかと一時疑心暗鬼に陥りました。

金銭詐欺の一種で、税務署職員を装った訪問者に何かのはずみで騙されてキャッシュカードを渡してしまったようです。テレビで再現される詐欺事件の様子そのもので、多くの高齢者が詐欺の犠牲になっている事件が身近で現実に起きたことに大変驚きました。不幸中の幸いで身体が無事だっただけでも良かったと思います。詳細な内容はまだ聞いていませんが、世の中にまさかという事象はあり得るということです。

近年、海外に拠点を置いた集団詐欺グループの存在も明らかになっていますが、やはり巧みに問いかける加害者から騙されないための厳重な対策を日頃から徹底するしかないようです。テレビの「ストップ詐欺被害、騙されない!」のコーナーも最近の詐欺被害の実例として参考になります。田舎で育った若い頃の私はひたすら性善説を信じていましたが、残念ながら成人になるに連れて否定せざるを得ない人間になってしまったようです。

2024年5月15日水曜日

為替

 今でも忘れませんが、かつて日本企業が円高で苦しむ中、巨大市場を目指して中国へ進出した某中小企業がありました。当時は行政側も成功例として称え、某中小企業の経営者を異業種交流会の講演者として行政側が招いたことがありました。当時、私も大勢の視聴者とともに講演会に参加していたので鮮明に記憶しているのですが、その中国へ進出した某企業は後に中国企業となってしまったようです。つまり大企業ならば兎も角も、中小企業で経営ノウハウが無ければ企業ごとノウハウまで奪われてしまうのです。

中国に進出している大企業は過去の事例も研究し尽くしているので、中国でも事業で失敗することは少なくなったと思われます。しかし、他国で事業を広げることは大企業も含め容易な事ではありません。現地の信頼ある専門家を通して、現地の法律に精通して則った上で初めて事業は可能ですが小規模の企業には難しいと言えます。かつてIT業界でも、中国は人件費が安いということでオフショア(海外へ仕事を発注すること)が流行りましたが、成功例は極僅かです。

日本の製造業が円高により採算が取れないために、当時は人件費の安い中国をはじめ東南アジアへ進出しました。しかし反動で、国内の製造業は空洞化現象が起き、製造業では多くの失業者も発生しました。今、日本は円安で輸出企業には有利ですが、高価格の原材料を輸入しても輸出で採算をとるのは難しいのが現状です。円安で儲けている企業はドル決済をしているところで、為替差益で国内的に儲けているように見えるだけです。為替を長期視点で考えることが重要です。

2024年5月14日火曜日

つて

長い経営者人生で何が功を奏したかと申しますと、人の「つて」を大切にしてきたから様々な縁に巡り合うことができたのではないかと思います。「つて」を調べると、手ずる・たより・手がかりという意味のようですが、人との関係を継続的に続けないと「つて」は知らないうちに消えていきます。ビジネスで「つて」を生かすか生かさないかで後のビジネス上の展開が随分違ってきます。「つて」が切れないように関係を継続しなければ自然に消滅してしまいます。

このように「つて」を継続的に維持するのは容易ではありません。この事は同窓会でも同じことが言えます。私の田舎の高校時代の同窓会は未だに続いています。先輩や後輩の中での同窓会は殆ど続いていないようなので私たちの会は田舎でも珍しいと言われています。つまり、何名かの幹事が卒業後も定期的に同窓会の開催を継続してくれたからです。最初が肝心で、発起人となる幹事が責任をもって同窓会を継続する強い意志がなければ将来的に継続は困難です。

実は中学時代の同窓会を急に開催しようという話になっています。しかし子どもの頃から何十年も経過し、それぞれに高齢化を迎えている頃に集まろうとしても、それぞれ人生の境遇も違うので大方が集まりたくないというのが本音だと思います。「つて」を大切にしていないと次第に手がかりも無くなってしまいます。仲間の誰かが思い付きで同窓会を急に呼び掛けたようですが、もっと個々人の諸事情を慮る必要があるように思われます。

2024年5月13日月曜日

日銀の動き

行き過ぎた円安を是正するために日銀と財務省が市場介入したというニュースが先週流れましたが、今週は国債の買い入れを減らすという動きで長期金利が上昇しているようです。日銀は抱える国債の量を減らさなければ利払いが増えるため、金利を正常化するための手法だと思われます。現在のように米国と金利差があると円安は解消できない懸念があります。円安は日本経済を更に脆弱にするために金利も上げていかなければ国際的にみて不利です。

日本経済を強化するためにはインフレに伴い、適切に金利も上げていかなければ産業は弱体化していきます。企業も利払いでコストは増えますが、事業収益を改善して支払金利のコストを吸収していかなければならないと考えます。いずれ人手不足で人件費は高騰していけますが、収益を立て直して人件費を上げていかなければ国内外も含めて労働力の確保は難しくなります。 金利を正常化させ、為替をもっと円高に誘導しなければ国力は弱まり、海外資金も集まらないでしょう。

円安で日本株が弱いのは機関投資家の資金が海外に流れているからです。海外投資に回されている資金を日本国内へ呼び込むためにも金利を上げる必要があります。但し、急激な円高は輸出企業の収益をマイナスにしたり株価にも影響するので、貿易収支のバランスが求められます。国の政策実現のために税収を確保するならば、景気を上げて企業収益を伸ばし、国債に依存しない財政運営をしなければならないと考えます。

2024年5月10日金曜日

若者思考

 生まれた時からネット環境で育っているZ世代に見られる行動はタンパ・コスパを重要視すると言われています。何故そのような発想になるのか、我々も彼らの意図を理解しなくてはならないと考えます。少子化と言われながらも、アスリートの世界でも海外で活躍している若者が過去には考えられない程増えています。つまり、過去の延長戦上のトレーニングでは実力的に世界で戦えないということです。

年齢的に如何に早くアスリートを育てるかが勝負となりますので、トレーニングのやり方も先端的でないと海外のライバルに勝つことは不可能です。人口減で少子化時代が到来する中でコストパフォーマンスを如何に時間短縮して達成するかを、ネット世代の若者は考えているのだと考えます。彼らは時間的猶予はないということをネット社会で感じ取ってきたのだと思います。

かつてのピラミッド人口の時代は前例踏襲で共存共栄の枠組みの中で繁栄してきました。これからは日本も独創的に生きていかないと世界に立ち遅れてしまいます。人材の育て方も個性を伸ばすために、どのようなプロセスでパフォーマンスを達成する育て方をするかを考えなければなりません。人材を育てる多角的な取り組みがビジネスの世界を含めて重要だと考えます。

2024年5月9日木曜日

郷土の味

子どもの頃はおやつなど無い代わりに、大きな瓶(かめ)の中に手を入れて「こっぱもち」という郷土特有の餅をよく食べていました。作り方はさつまいもを薄く刻んで蒸して日干しにします。少し硬くなったら瓶の中に入れて程よく乾燥させて保存するわけです。子どもの頃なので自分で作ったわけではありませんが、家族の作っている様子を記憶から思い出しただけです。子どもの頃はおやつとしてのお菓子のようなものでした。

先日、東京で天草出身者の年に一度の集会があり、その場で販売している郷土の産物の中にこの「こっぱもち」がたまたまあり、懐かしさのあまり購入してしまいました。4月の下旬から仏壇に供えていましたが、本日試食してみました。ビニールの包装には熊本県観光土産コンクール入賞作品と書かれて、郷土の味・元祖こっぱもち、天草伝承と綴られていました。当然ですが、くまモンの絵も描かれていました。

どんな味がするのか食するまで興味津々でしたが、予想通り昔懐かしい味でした。仏壇の祖父母の位牌の前にしばらく供えていましたが、かつて祖父母が作ってくれた「こっぱもち」のように、今日美味しく食べている姿を仏壇越しに見て、さぞ喜んでいることだろうなと思った次第です。なかなか郷土の味に触れる機会が無いので有難く食させていただきました。残念ながら昔懐かしい干し柿や高菜などの郷土の品は見当たりませんでした。


2024年5月8日水曜日

時代の転換期

お蔭様にて、昨年の下期に独立系のオーナー企業から上場企業の100%完全子会社となりました。経営陣の若返りを図り、新陳代謝して一層の成長を目指すことが、将来のある若い社員の為にも我々現経営陣に課せられた使命だと考えてきました。企業は変革を目指して組織の在り方が変わらなければ、目まぐるしく変化する技術分野において、年々成長することも競争に打ち勝つことも困難です。

弊社もこの10数年は右肩上がりで成長してきましたが、DXを見据えたICT時代が政府主導で漸く動き出したので我々はその恩恵に授かったまでです。チャンスは誰にでも平等に存在しますが、いち早くチャンスの到来を察知して自社の戦略として捉えることができるかどうかで勝敗が決まります。重要なのは経営陣が実行力を発揮して、新しい展開に対して躊躇せずチャレンジする空気を醸成することです。

今日、様々なところで人的資本の重要性が叫ばれています。時代の大転換期の中で競争に生き残るためには、従業員が変化する環境の中でも自己の成長のために、常に学び続けるリスキリングの風土が無ければなりません。一人一人の自己変革無くして、企業の持続的な成長はあり得ないということです。大型連休が明けて、相次ぐ上場企業の24年3月期決算報告の結果を拝見して感じた思いです。


2024年5月7日火曜日

手段を選ぶ

大型連休も終わり、初夏とともに梅雨入りも間近に迫る時期となりました。月日が経つのは早いものですが、「歳月人を待たず」なので一日一日を大切に過ごしたいものです。連休中はお天気にも恵まれ、故郷へ帰省する人や各地の行楽地へ出かける人も多かったようです。余暇を楽しむ人々の笑顔をテレビで拝見しただけですが、コロナ禍が遠ざかり久しぶりの行楽地での雑踏に安堵感を覚えます。

海外ツアーに出掛けた人が一応に円安で海外の物価高に悩まされたというインタビューを聴きますと、円の価値が外貨に換えた場合の弱さを実感します。円安の為に国内の輸入物価も食料品も軒並み値上がりしているために、庶民の間にも節約志向が徐々に表れているようです。金利も上げられる状況ではないため円安が続いていることも否めません。

企業の3月決算が愈々出そろいますが、業績は前年並みに推移しているのが現状ではないでしょうか。但し、円安が更に進行すると国内企業に影響を及ぼすために、当局による為替介入もやむを得ない手段だと考えます。今後、金利の動向がどのように推移するかによって為替も変動しますが、円がもう少し対ドル・対ユーロに対して強くなることを希望します。日本経済の成長と変化に期待します。

2024年5月2日木曜日

新人歓迎会

連休前の金曜日、夕方から弊社の新人歓迎会が洋風の結婚式場の披露宴会場を貸し切って行われました。 コロナ前から何年も続いている行事ですが、大々的に新人歓迎会行われたのはコロナ以降初めてでした。参加した若い先輩社員が多かったので会場が狭すぎるほど熱気に包まれ盛り上がりました。私も36年間社長を務めてきましたが、こんなに大勢の若者が会社を支えてくれていることに感動を覚えると共に感謝の気持ちが湧いてきました。

一般にIT業界は人の出入りが激しいことが普通なのですが、社員の皆さんが定着してくれたからこそ現在の会社があるのです。私も創業者でオーナーとして経営してきましたが、創業者も人間ですから年々歳も重ねますのでいつまでも若くして経営ができるわけではありません。企業は常に若返っていかなければ生存競争に生き残ることができないのです。

話では事業承継に伴うM&Aが成功した事例は少ないと言われています。おそらく理由の一つは経営者が利己的な考えで、働いている社員と会社の将来を真剣に考えていないからだと思います。経営者同士が同じ目線の下で信頼関係を構築すれば上手くいくはずです。社員を大事にして立派な会社にしようという哲学が経営者にあれば、根本にある双方の考えの軸はブレないものです。まだこれからが再スタートですが、素晴らしい会社にしたいと思います。