2021年2月26日金曜日

新卒採用

今年も22年卒業予定の学生さんに早くも面接でお会いする時期が到来しました。昨年はコロナ禍ですべてオンラインでの入社試験で、学生さんも企業も慣れない中での採用活動のやり取りでした。しかし今年はだいぶ慣れてきたせいなのかリアルに近い雰囲気で面接がスムーズにこなせているようです。

今年はめずらしく県外からの学生さんが応募してきていることです。例年は自宅から通えるところの方が先ず動き出すのですが、今年は地方の方がやや動きが早いようです。これもコロナの地域別感染者数の違いの影響なのか、それとも通年採用の兆しでしょうか。

先手必勝は採用試験にも言えることで、行動の早い学生さんは明るくて元気な方が多い気がします。昨年と今年はコロナ不況で企業の採用状況がかなり違いますので、VUCAと言われる経営を取り巻く環境下において積極的な企業はチャンスだと思います。

働き方改革でオンラインが普通となった今、中小企業も地方からの人材を採用することで人財選択の幅が広がるはずです。これからは仕事と勤務地は分けて考えなければなりません。コロナ以前の無駄な時間を有効に活用できれば、仕事の効率も格段に上がるはずです。

2021年2月25日木曜日

ウェルビーイング(Well-being)

 今、幸せの重要度が注目されています。幸せは単なるハピネスではなくウェルビーング、つまり元気に生きなければ満足は得られないと言われています。弊社も長らく「満足」をキーワードに経営理念を考えてきましたが、どうもそれだけでは人生が幸せではないと感じました。

いつも夜、TVで「小さな村 イタリア」の録画を長年にわたり観てきましたが、日本はイタリアの地方と比べて幸せ度が低いのではないかと感じています。本当の幸せは自己の満足ではなく、他人のために尽くすことで得られることをイタリアの人は示しているのです。

人のために尽くすためには自分自身も幸せでなければなりません。幸せになるためには家族を大事にしなければ自分の幸せも得られません。彼らはかつての日本のように兎に角、親の教えを尊重し、感謝し、忠実に守ります。その光景をTVで観ているだけの私たちも幸せに感じます。

ある方が、日本のGDPは客観的には先進国でも高いが、主体的ウェルビーングつまり個人的な幸せ度は世界的にも低下傾向であると話していました。 モノには不自由もなく、生活も便利になりましたが、人の心の内面は幸せ度が落ちてきているのではないでしょうか。

もっと我々は企業としても、すべてのステークホルダーの幸せを追求していくことが使命だと認識することが必要な時代だと考えます。コロナ禍を契機に、地に着いた本物の主体的ウェルビーイングの実現に邁進していければ幸いです。

2021年2月24日水曜日

人と年齢

 今日のニュースで、スズキ自動車の鈴木修(91)会長が退任されるという記事を見ました。90代まで経営の第一線でご活躍されたのも驚異的ですが、弊社の近くにも4,5年前に亡くなられましたが、同業者で94歳まで社長を務められた方がいました。何と言っても元気で気持ちがお若い面がありました。

私の知る限りでは旺盛な好奇心を亡くなられるまでお持ちだったことです。ある講演者が今の日本の20歳の若者は、スウェーデンの64歳と同程度の好奇心しかないと話していました。生き方への考えが北欧の人たちと日本人とでは対照的なのです。フィンランドも同じような特徴です。

つまり社会で活躍しているのは殆どが女性の人がだからです。家庭で子どもの面倒を見ているのは男性なのです。女性が活躍しやすいように社会ができているのです。消費税は高額ですが、すべて使途は国民にオープンにされているため生活の満足度も高いわけです。

言いたかったことは90代の日本人にも、考え方として時代の先端を走っている方も存在するということです。日本人はもっと深く考えて行動すれば無駄をしなくて済むと思うのです。バイデン大統領が米国人のコロナでの死者は50万人で、第一次、二次大戦、ベトナム戦争より多いと話していました。

しかし、太平洋戦争では日本人だけで300万人も戦死しました。人口が米国の半分以下の日本ですから、戦死者は6倍どころか12倍以上の犠牲を戦争で生んだ計算になります。もっと日本自体も人の命を真剣に考えるべきだと思った次第です。又、いつものように話が飛んでしまい失礼しました。

2021年2月23日火曜日

天皇誕生日

恥ずかしながら、先週になって漸く今日2月23日が祝日であることに気が付きました。昭和20年代生まれの私は今でも4月29日という昭和天皇の誕生日が記憶に焼き付いています。現在の天皇陛下の幼少期(ナルちゃんと呼ばれていた)からのお姿が印象強いので、歳月の過ぎ去る速さを自分自身の年齢に重ね合わせて驚く次第です。

本日は千葉工業大学で開催された「朝日教育会議」にオンライン視聴で参加しました。小惑星探索の技術が世界で先頭を走っているとの話は、世界レベルから衰退する日本の技術水準の話題が多い中で、嬉しくもあり、驚きでもありました。これも初めて知ったことですが、ゲストで宇宙タレントと呼ばれている黒田有彩さんのトークも大変ユニークでした。

これまで色んな大学の「教育会議」を視聴してきましたが、学長を始めとした未来志向の話はとても参考になりました。休日にも関わらず、大学主催のイベントに自宅でオンラインにて参加できることに大変感謝しています。アフターコロナにおいても各種のイベントがオンラインとリアルのハイブリットで開催されることを期待しています。

2021年2月22日月曜日

SDGsシンポ

 地球環境は世界的に大変重要な問題です。新興国の経済発展で今後益々二酸化炭素の排出量が拡大する傾向にあります。国連がSDGsを提唱するのも世界が協調してこの問題に取り組む必要があるからです。今日も某大学の主催するSDGsのシンポジウムに参加していた最中に、経団連の中西会長の「カーボンニュートラル」に関するコメントがニュースとして飛び込んできました。

地球の人口が今後開発途上国の経済成長で増えていくと、水の問題で紛争が絶えなくなるという話がありました。事実、アフリカや中東では感慨が進んでおらず、水の確保で人種間の争いが多いようです。また地球環境を維持するには牛肉の消費を減らすことも考える必要があるようです。食糧を精算するには水が必要ですし、炭酸ガスを世界中の牛が排出するのも問題だと思われます。 

しかし食糧問題を民間レベルで規制をかけていくのは困難です。やはり国連レベル、政府間で地球環境を守るために、食糧需給をどうするのかも含めて高次元で協調していくしかありません。ワクチンの問題も世界的な感染においては自国優先で考える問題ではないと思います。水の問題しかりです。コロナは国際協調の重要性を世界に示したものと言えます。

自国ファーストを唱えて協調路線を否定したトランプ前大統領が残した世界的な分断を、これ以上放置させないように、天の神様が新型コロナで独断に歯止めの裁定を下したようにも思われます。国連が主導権を果たして課題解決を目指さなければ、国家間の果てしない争いも収束しないと考えます。

2021年2月19日金曜日

札幌の空

かつて前職時代に異郷の地の札幌で勤務していた頃、弊社を心底嫌って取引しない田村組という市内の小さな建設会社がありました。その会社で建設現場で監督をしている永田さんという八代出身の方との突然の出会いの中で、過去の愚痴を聴きながら立ち話を続けていたら、同じ熊本出身という同郷の思いで懐かしくなり、それ以来親しくして戴き、遂には長年途絶えていた会社間の取引を再開することになったのです。

前職の会社は全国な知名度はありましたが、当時の札幌の地元では工事の評判が悪く、稼ぎ頭である現場事務所では営業的に大変苦労しました。営業担当としては工事をちゃんと仕上げてくれることを顧客との契約のたびに祈る思いでした。そこで学んだのは会社は看板があってもお客様は信用してくれないが、営業担当者の人間力での対応が認められれば顧客は信用してくれるいう事でした。

右も左もわからない別業界でも、営業担当者の人間力をお客様が認めてくれれば契約にだけは結びつくものです。しかし受注から納期、そして保守まで現場が約束を果たしてくれなければ営業努力も水泡に帰します。若い頃は多くの中小建設会社の社長から大変可愛がっていただきました。しかし手形商売が中心だったので、集金時は鞄に一杯の手形と僅かな小切手で、本来の現金化である手形が落ちる期日までは毎月が心配でした。

2021年2月18日木曜日

手形が消える

政府の意向では近い将来は手形取引を無くそうと考えているそうです。考えてみると電子化の時代に、未だに手形取引がなされていること自体が時代遅れのような気がします。大学時代は法学部で手形・小切手法を学び、たまたま就職した会社でも資金回収においては手形取引は普通でした。その後、IT企業へ再就職したのですが、なぜか現金振り込みが普通だったので驚きました。古い業界と新しい業界の混在が今の日本の実態ではないでしょうか。

株券はすでに電子化されましたが、手形だけは未だに世の中に出回っていたのです。裏書して回したり、現金化のために割引したり、独特の金融の世界が長い歴史の中で形成されてきました。デジタル化の進展で産業構造が変わるので、既存の事業も変わっていかなければなりません。手形・小切手法など旧来の法律から(仮称)デジタル決裁法などへ新しい時代に適した学問に変えるべきです。


2021年2月17日水曜日

時間の効率化

今日は久しぶりに国会中継を聴きながらウォーキングやデスクワークでしたが、これまで国会の状況はニュースや新聞を一瞥する程度で、国会審議を傾聴する機会など多忙なビジネスマンは時間もないし、持てなかったはずです。テレワークによって普段見かけない平日の周囲の様子を垣間見る機会が増えてきました。国会中継を聴くのもその一つです。

やはり勤労世代の有権者が、昼間に行われる国会中継に耳を傾ける時間を持てることは大切だと思うのです。昼間の視聴者が増えることで、国民から選ばれた議員の審議の姿勢も変わると思うのです。これまでは、たまたま空港のロビーや病院のテレビで流れている国会中継を時間調整に眺める程度でした。

住居周辺の様子もビルが立ち並ぶオフィス周辺の環境とは全く違います。世の中の様子を間近で見て知ることは大事だというのがテレワークを実施してみて実感しました。何と言っても規則正しい食事と適度な運動に加えて、自宅で過ごす自由な時間が増えたような気がします。オンラインがもっと当たり前に普及すれば、限られた一日の時間の使い方がより効率化すると思います。



2021年2月16日火曜日

30年ぶりの奇跡

1990年の株価が3万8千円をピークにバブル崩壊して以来、30年ぶりに日経平均株価が3万円台に戻ったことで少し市場関係者の中で話題となっています。私も当時のバブル経済の状況は今でも鮮明に覚えています。驚いたのは高価な高級外車に乗った若者が市中を運転していたり、一方、ゴルフ会員権はうなぎ上りで価格が上昇し、投資用のマンションや別荘が次々に全国的に販売されたり、値上がりを見込んだ資産を担保に市場に資金が供給される異常な状況でした。

こんな話をしても当時を知る人は既に現役を退いており、今や遠い時代の出来事で思い出せないほど歳月が経ちました。私自身は当時の日本経済の修羅場を経験してきましたので、振り返ると懐かしい限りです。ここで言いたかったのは、バブル崩壊後30年目にして漸く日本経済の復活への兆しが、コロナ禍において遠方に微かな明かりとして見えつつあるのではないかという事です。単なる外国人投資家の自由な資金遊びかもしれませんが・・・。

私はポジティブに物事をとらえるタイプなのですが、円高や大震災や今回のコロナに苦しめられた日本は長い年月で耐える底力を蓄えてきたので、過去のしがらみを捨てて日本人が変われば、イノベーションにより経済が新しい姿に生まることで成長の可能性もあると考えています。肝心なのは潜在的な成長力を見出し、そこに適正な投資をしていくことではないでしょうか。 不透明な時代だからこそ、自由に考えることでチャンスが生まれます。

 

2021年2月15日月曜日

具申

 「晩節を汚す」のは大変勿体ない事です。と言いましても、人間にとって「有終の美を飾る」ことも大変難しい生き方であります。「引き際が肝心」と言われますが、中々自分で地位を去る時期を決めることも難しく、いつまでも地位にしがみつく人も少なくないようです。

やはり年配者が組織の上に立つと若い人たちは遠慮してしまいがちです。つまり年配者が自分の考えに固執して、若い人たちから率直な意見を聴こうという姿勢が欠けているからだと思います。特に高齢化社会になった日本は、年配者の声が若い人たちの声より強いような気がします。

他人事ではなく私自身も気を付けなければならないと反省する次第です。日本人は先輩を尊ぶあまり、美徳なのですが遠慮して自分の意見をはっきり主張しない面があります。先輩のためにも後輩として主張すべきことは主張した方が良いと思います。他人から言われて初めて自分自身も気が付くものです。






2021年2月12日金曜日

意思決定プロセス

 東京五輪・パラリンピックの女性蔑視と受け取られる発言により森会長が辞任した模様ですが、森会長から後任として要請された川淵三郎氏が昨日の時点では受諾する方向でした。しかし周囲から選考過程が不明確との批判が上がり、一転して会長職を受諾しないというニュースが流れてきました。今後、事態はどうなるのか心配です。

何故、このように貴重な情報が交錯するのか理解に苦しますし、世界にも日本の決定事項に対する不明確さへの印象と組織としての信用失墜を与えているように思われます。誰が最終的な責任者なのかが判明しないまま時間が経過するような気がします。日本には組織に意思決定機関はあるものの、決定プロセスが曖昧で、責任回避と取りかねない発言が見られます。

最近の政治にも観られるように、言行不一致がまかり通ることが許される事態は議会制民主主義の危機でもあります。責任の所在を明らかにすることは組織において最も重要な事です。しかし、どんなに批判が及んでも権力者が責任を取らない限り問題は収束しないのです。

これまでの日本の政治が、課題が放置されたままに時が経過するのを傍観している状況が少なくないため、残念ながら海外からの評価にも影響しているように思われます。日本のメディアは海外から指摘される前に、事前に問題提起して指摘すべき点はもっと強く指摘すべきだと考えます。

 

 

 

2021年2月10日水曜日

How to use office

 コロナ禍が終息すればオフィスの在り方はどのように変わるのでしょうか?おそらく元の形に戻ることはないと考えています。テレワークによるオンラインの活用で、今までは普通に掛かることを全くおかしいと感じなかった通勤や移動の時間と経費が大幅に減りました。米国は車社会なので、シリコンバレーに勤務する人も移動中は車の中で仕事をします。しかし日本人は電車通勤が普通なので往復の時間が無駄なのです。首都圏では移動もほとんど電車で行います。

欧米に比べて生産性の低さや労働時間の長さを縮めるには、このコロナ禍が終息した時でも元の働き方にすべてを戻さないことが必要と思います。世界中で漸くワクチンの接種が始まったばかりなのに、トヨタ自動車の今期決算も完全にコロナ禍の影響を脱して販売台数も営業利益においても上方修正するほど好決算のようです。コロナ下で勝ち組と負け組の企業が明確に分けられました。

デジタル革命は今後益々企業間格差をもたらすでしょう。少ない労働力で如何に付加価値を高め、生産性を上げていくかが日本企業に問われています。産業界が垣根を越えて知の集積によってイノベーションを起こさねばなりません。自由な時間を産学連携の仕組みづくりに充てて、これからの企業人は新たな事業を作り上げていくことに力を注ぐべきだと考えます。

オフィスの在り方も、働く人たちが創造力を育むようなデザインや活用の仕方を一から考え直すくらいの発想が企業には必要だと思われます。そして、家族を大事にし、より豊かな人生を模索して、後悔のない人生を送ってほしいと考える次第です。集団で一斉に満員の通勤電車に乗って仕事へ向かう光景は、欧米に競争力で負けないためにも行動を変えるべきではないでしょうか。

2021年2月9日火曜日

伝統産業

有り得ない事ですが、自分の娘が少女時代に宝塚歌劇団に憧れて目指したいとなれば、おそらく親としては応援しようとなるかもしれません。昨日、某講演会で「京都花街の伝統産業に学ぶ経営学」で生まれて初めて舞妓・芸妓さんの人材育成プロセスの一部を講演資料で拝見しました。もし自分の娘が舞妓さんに憧れてなりたいと言えば、おそらく親として反対するでしょう。しかし高度経済成長期時代と比べて舞妓・芸妓さんの人数は3倍に増えているようです。

実は宝塚も小林一三が京都花街の舞妓・芸妓の伝統産業から人材育成のコツを見習ったようですが、京都花街の伝統産業に伝わるサービス業の極意ともいえる熟練された人材育成の手法は中々凄いと思いました。お座敷であるお茶屋も舞妓を送り出す置屋もサービス業としての経営の極意がしっかりと備わっていることに驚きました。350年続くおもてなし産業である京都花街と比べて、私たちのIT業界では技術こそ優先して取得しますが、学ぶべき所は大でした。

京都花街では顧客に対しての「目配り」「気配り」「心配り」の姿勢が、お座敷の中でチームプレーとして完璧に行き届いているので大変驚きました。京都の祇園街については殆ど知識として知らない事ばかりで、縁遠い世界のように捉えていましたが、今回、大学の先生からの直接の講演は素人の私には大変勉強になりました。どこの世界でも人材育成無しでは商売が成り立たないし、京都花街のように350年の伝統文化の歴史を維持することもできないわけです。


2021年2月8日月曜日

視点

久しぶりに某有名人の演説をたまたまLIVEで聴きました。1年前はさんざんメディアから批判されていましたが、今回は裏を返したように評価されていたようです。人の評価は現在の実態に基づいて下されるので、その時々で評価が変わります。

評価が変わらないことが一番ですが、社会環境の変化によって否応なしに評価は変わらざるを得ないことがあります。悪い評価が出るのもその時点では仕方がない場合もあるのです。しかし悪評も糧として捉えて謙虚に反省して対策に臨めばいずれ必ず結果は変わってくるものです。

経済は生き物なので、常に進化していきます。中には成長が最盛期を過ぎて落ちていくものもあります。時代の変化を見通せば成長が可能な経済は元気になります。しかし対処療法で後追いする施策では経済も改善につながらないと思います。

グローバルな視点を持つことは難しいですが、日々、政治や経済の動きを注視していれば人の為すことに関してはある程度予測が可能だと考えます。時代の経過には天災もつきものですが、冷静な目があれば復活を待つことも精神的に可能となります。

2021年2月5日金曜日

灯台もと暗し

 家内との会話の中で「あなたは遠くばかり見ているから、足下で躓いたりする」と言われます。一方の家内は足下を注意深く見ながら歩くタイプのようです。海外のサスペンスものを一緒に観ますが、家内はキャストの服装や屋敷内のインテリアを観ながら内容も理解しているのに、一方の私はキャストの人相と内容ばかりしか捉えていない違いがお互いにあります。

歌番組も私の方は声や曲に興味を抱きますが、家内は歌詞に興味が行くようです。つまり私は感性が今一つ乏しいという事だと自覚させられます。私は約束の時間に遅れた経験はありますが、家内はいつも時間に余裕を持っているため、時間に遅れたことは記憶にありません。だからと言って物事に細かい人間かと申しますと、私の方が細かい面があるようです。

遺伝子も育ちも違う者同士が同じ屋根の下に暮らすことは実に面白いものです。私は人をすぐ信用するタープですが、家内は当初疑念を持って人を見ることがあります。よく考えもせず即行動する私と、考えても中々行動に移らない家内と二人なので、意見の一致で一緒に行動するのもタイミング次第です。出かけるのが好きな私と、家にいることが一番好きな家内なので共に旅行するのも稀です。

昨日の元森首相の差別発言に対しては、「言霊」つまり言葉は人の魂に響いて通じるので、発言するときは一度復唱して、責任ある立場の人は常に気を付けなければ取り返しがつかなくなると家内から諭され、わが身に置き換えて学ばせられた出来事でした。若い候補者に代表の代行をお願いする姿勢があれば、発言の間違いを繰り返さずに済むのに大変残念です。ふと森政権時代に党内で異議を唱え、「加藤の乱」で失脚した故加藤紘一元衆議院議員を思い出しました。

2021年2月4日木曜日

共育という教育

人材を人財と尊重するのと同様に、教育を共育に置き換えてみると良いと思います。上司が部下を、親が子を教育することによって自分自身も共に育つ、すなわち人間的に成長するという事です。人に物事を教える場合、事前に豊富な知識を蓄えた上で、体験を通して内容を十分に理解していないと相手に真相は伝わりません。

人間は俄(にわ)か知識で理解が浅いとすぐに忘れてしまいます。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というドイツの政治家オットー・フォン・ビスマルクの言葉がありますが、経験に学んだ愚者からは何も得られないと言われます。経験は人それぞれ違いますから、自分の経験など歴史を学んだ人から見るとたかが知れているのです。

人は長い歴史を通して生涯学び続けなければならないという事だと思います。私自身の経験を振り返っても、もしあの時代に戻れば違った判断をしただろうと、過去を顧みたりします。若い頃は人生経験も浅く、歴史を俯瞰して物事を判断するすべを知らないものです。若気の至りで行動した自分を後悔してきましたが、学び続けることで軌道をプラス方向へ向かわせるようにしてきました。

共育は上から目線ではなく、相手と同じ目線で共に学び、育つつもりで相手に対処することではないでしょうか。 私自身も忘れやすいので、敢えて書き記すことで脳裡に叩き込みたいと思うのです。つくづく日頃から感じますのは、人を年齢や外見で判断してはいけないという事です。謙虚に人の歴史に学んできた人の中に真に賢い人は存在すると思うのです。

 


2021年2月3日水曜日

奨学金

 昨夜、政府より緊急事態宣言のひと月延長が発令されました。新型コロナの感染拡大を防ぐために止むを得ない措置だと思いますが、サービス業全般に与える業績への影響はさらに深刻な事態となることが予想されるので他人事ではありません。

また、これまで働いてきた非正規労働者の皆さんや学生さんへ及ぼす影響も計り知れないくらいだと思われます。私自身も若い頃は勤労学生でしたので、アルバイトで生計を立てている学生さんの大変な生活状況も少しは理解できます。

一方、コロナ禍でも史上最高益を上げている企業も少なくありません。同じ世代の中で経済的な格差は広がるばかりなので、このような危機において格差を減らし、生活困窮者を救い、生活を支援することは行政の責任ではないかと考えます。

私事ですが、今回のコロナ禍に対して大学の学部内に奨学金を新設して学生を支援する業務に携わりましたが、面接を繰り返して、さらに論文で選考されて最終的に受給者として選ばれた学生さんは、驚いたことにそれほど生活苦と言えるレベルではありませんでした。

多くは学業の足しに折角の奨学金を使いたいと希望している生活も中流レベルの人たちでした。水面下で本当に苦しんでいる人にどれだけ国や大学の支援が行き届いているのか、残念ながら実態が把握できないもどかしさを感じた次第です。



2021年2月2日火曜日

人の役に立ちたい

これは、もう10年以上も観ているTV番組「小さな村の物語 イタリア」で、イタリアの村人から何度となく聴いている言葉です。録画しているものを夜寝る前に観ることが多いのですが、イタリアの村人たちの話を聴くたびに気分よく寝床に就けます。

自分の欲が先で自分の事ばかりを優先する風潮が多い昨今の状況を考えますと、古来の日本のようなイタリアの村人の光景でさえも観察する価値があると思うわけです。私も田舎育ちなのですが、都会へ住みついたわが身を考えても、イタリアの人が家族や村の事を想う心はとても素晴らしいと感じるのです。

かつては日本の田舎も、今のイタリアの村と同じように村人同士がお互いに仕事を手伝い合う光景がありました。私も祖母の手伝いに同行して、夜のご馳走に度々呼ばれていました。皆、人の役に立ちたいと心から思っているので他人の手伝いにも決して労を惜しまないのです。

日本にも素晴らしい地方の文化や慣習がまだ残っているはずです。利他の心が存在する地方の良さをもう一度蘇らせる必要があると思う次第です。

 

2021年2月1日月曜日

国家観

 戦後75年が経過する議会制民主主義国家の我が国も、かつての戦時中は軍事政権が国家を主導し、遂には勝利の見込みのない戦争へ突っ走ってしまい、そして結果的には敗戦となり、多大な代償を余儀なくされました。しかし現在に至っても、周辺国では未だに国家統制が強く、民主主義国家に縁遠い国が見られます。

今朝のニュース速報で、ミャンマーのアウンサン・スーチー氏が国軍によって拘束されたというクーデターが発生したことを知りました。詳しい内容は徐々に分かってくると思いますが、昨年の総選挙でスーチー氏が率いてきた与党の国民民主連盟(NLD)に不正があったと反対派からの批判が強かったようです。

一度も訪れたことはありませんが、漸く民主国家が誕生して、これから世界に開かれようと外資も積極的に投資していた矢先ですが、元々が軍事政権だったこともあり、やはり民主主義国家が順調に育っていくには時間がかかりそうです。しかし一方では、民主主義国家の大国、アメリカでも国民の分断が顕著となっています。

中国やロシアにおいても国民の言論の自由は保障されていませんが、欧米の自由主義国家において言論の自由は当たり前です。国家統制とポピュリズムのバランスを保つこと肝要で、政治家が国を良くするも悪くするも統率力次第です。日本と違って、かの政権の長い国はどうしても独裁国家となりやすいようです。