2024年7月31日水曜日

アベノミクスの終わり

アベノミクスで掲げられた 異次元の金融緩和が漸く終わりを告げたようです。安倍政権の下、市場に大量の通貨を流入してインフレを期待しましたが、残念ながらデフレ脱却は果たせず、円安で寧ろ日本経済は長期的に伸び悩みました。この間、諸外国はリーマンショック後のインフレを抑制するために金利の引き上げとともに経済成長していきました。その後、円は売られ続けて日本は円安の国へと進んで行ったのです。

円安は外貨で決済する企業には為替差益の恩恵はありますが、円決済を主とする国内企業には輸入価格の上昇で経営が圧迫されます。99.7%を占める日本の中小企業が元気にならないと1次産業を中心とした内需の地方経済も活発化しない訳です。行き過ぎた円安の上昇が国内経済にも悪影響をもたらすことが認識されて、アベノミクス以来金融緩和を続けてきた日銀も漸く出口戦略に向けて動き出したのだと考えます。

失われた30年の日本経済が始動して緩やかなインフレとともに金利が正常化することを期待します。バブル崩壊後、デフレから脱却できず成長戦略とともに2%のインフレを目指して異次元の金融緩和政策がとられ続けてきましたが、肝心の成長戦略が描けなかったために低成長から抜け出すことができなかったのです。考えるに、幸か不幸かコロナ禍で日本企業の生産性を上げるきっかけができたことは疑う余地がないようです。愈々金利が動きます。

2024年7月30日火曜日

次期総裁は?

岸田政権の任期が9月で終わり、総裁選挙で岸田さんが再任されるのか或いは新政権が誕生するのか目下のところ不透明です。というより政治資金問題で自民党の支持率がかなり低下し続けているために、巷では政権交代を望む声が少なからず国民世論として聴こえてくるからです。しかし、日本の小選挙区比例代表制の選挙制度の下では1強多弱の勢力分布となり、政権交代は容易に適うものではないと考えます。

つまり、自公政権の支持率が低下しても総選挙での投票率が低下するだけで、浮動票だけで野党勢力に政権が移行することはなかなか考えにくいのです。かつての細川政権時代は中選挙区制でしたので自民党の55年体制が崩壊して連立内閣が誕生しましたが、内閣が右往左往して長続きしませんでした。選挙制度が現在の制度に変わっても民主党政権は現実離れした政策で右往左往して国民の信頼を無くしました。

ではどうなれば国民が安心できるかと申しますと、単に岸田政権に代わって新政権が誕生するだけでは自民党も変わらないし、国際的にも日本の閉塞感はぬぐえないという事です。であれば現状の岸田政権でもっと日本の政治改革をしていく方が無難だと考えます。素人の目から見ても次の首相に相応しい実力者が自民党内にいるとは言えないからです。重要閣僚を経験させて次代の後継者を育てた方が良いのではないでしょうか。

2024年7月29日月曜日

パリ五輪

コロナ禍で1年遅れて2021年に開催された東京五輪は感染防止のために無観客でしたが、3年後の2024年現在開催中のパリ五輪は大勢の観客に包まれて連日熱戦が繰り広げられています。しかし、数千キロ離れた大陸続きの地域ではウクライナとロシアの戦争が2022年2月から停戦もなく続いて多くの戦死者を出しています。さらに南方の中東パレスチナ・ガザ地区でもイスラエルによる連日の空爆で多大な犠牲者が出ています。

国際平和の祭典と言われるオリンピックの最中に、罪もない人々が犠牲となる戦争が停戦もなく継続されているのは異常な事態と言わざるを得ないです。何故、戦争当事者の為政者はそこまでして戦争を継続するのでしょうか。 他国を侵略する為政者が自ら停戦に踏む込まない限り戦争は終わりません。侵略された国に対して侵略した側の言い訳は通じないと考えますが、将来的にどのような解決策が国際法上でなされていくのでしょう。

さてパリ五輪に戻りますが、日本選手たちの活躍ぶりが連日報道されています。「オリンピックには魔物がいる」と言われる通り、予想もしない結果が出たりするように、他の国際大会とは別次元の違う舞台のようです。スポーツを通じて各国の選手たちが平和に集い、様々な競技の場で競い合う五輪は世界中の国民が注目しています。政治とスポーツの祭典は結びつかないと言われますが、国家を代表している選手たちも背後には自国の政治が動いていることを認識すべきです。


2024年7月26日金曜日

週末の独り言

このところ円高で株安が続いていますが、本来の日本経済が強ければ多少の円高でも株価は崩れないと考えます。ASEAN諸国でも日本が円安だから外貨を稼ぎに日本へ働きに行こうという若者も減るのです。かと申しましても、日銀が容易に金利を上げられるかというと更なる中小企業の倒産が発生しかねないので日銀にとっては公定歩合の引き上げは難しい判断だと考えます。

金利を引き上げなければ米国との金利差は埋まらず、ドル高・円安はさらに進みかねません。トランプ政権になったら大幅に金融緩和してドル安になる可能性があります。寧ろ政策的に公定歩合の切り上げを決めないで米国の政権が変われば、自然と金利差は縮まり円高基調になると考えます。財務省が市場介入してもマーケットの動きを容易に制御することはできないと思われます。

さて話は変わりますが、金融機関のフィッシング詐欺の年間被害額は600数十億円とか何かで拝見したような気がします。しかし何年も同じような被害があるにもかかわらず、預金者保護として金融機関のセキュリティ対策が不完全だからではないでしょうか。詐欺の被害に遭った場合の補償額も自己責任で済まされているのが現状だと思います。金融機関には高齢者のためにも現状を是非とも改善してほしいものです。


 

2024年7月25日木曜日

猛暑の夏

このところの猛暑で北側、南側の2台のエアコンが24時間フルに動いています。もし停電でも起きたらこの蒸し暑い部屋の空気に耐えるのも大変です。水道も電気が無ければ使えないので、電気が停電もなく日々提供されることは本当に有難いものです。自宅も会社も交通機関の中も冷房があるから快適に過ごせますが、最近は屋外の空気に触れると熱帯地方でも訪れたような暑さを感じます。

私が20代の頃は涼しさを求めて北海道旅行する若者が多かったし、若い頃に私も札幌で勤務したことがありますが、真夏でもエアコンは必要ありませんでした。しかし今や北海道でも本州並みに暑い日もあり、エアコンが家電量販店に並んでいます。地球温暖化の影響で日本列島全体が赤道直下の熱帯地方のような気候になっているのが現状です。

最近は異常気象という言葉にも耳慣れしてきましたが、猛暑と共に線状降水帯や局地的大雨などが日本列島を北上する気候も頻繁になりました。また急激な低気圧の接近で気圧病に悩まされる人も多いようです。気象の変化は避けようがないので、自分の身体は自分で守る意識を常に持ちましょう。この夏は猛暑に注意しましょう。

2024年7月24日水曜日

日本の税制

日本でベンチャー企業が生まれにくいという理由がこの歳になってわかりました。おそらく中小企業に対する税制は将来的に変わることはないと思いますので、起業して会社を成長させようという人も日本国内ではそれほど増えてこないと考えます。日本の企業数で中小企業は99.7%、大企業は0.3%ですが、日本の税制は圧倒的に大企業に有利な政策です。大企業と中小企業では国に入る税収が全く違うので、どうしても多額を納税する大企業に有利な政策となるのでしょう。

間接融資の多い日本では中小企業向けには貸す側もリスクをなるべく取らないように融資をしますので、米国のように直接融資のスキームが株式を上場しない限りあり得ないということになります。ベンチャー企業は創業時が一番資金が必要ですが、リスクを取らない間接融資では起業しても早期に企業が成長することはなかなか難しいと思われます。中小企業に有利な税制が創設されれば日本社会にスタートアップする人はもっと増えるはずです。

私自身も資金繰りで苦労してきた過去がありますので、財務を健全化することを目標に経営してきました。しかし、優良企業になることが結果的にオーナー経営者にとってリスクが大きい事が分かったのです。現在の税制では全国の中小企業で事業承継が進まないのは当たり前です。税制的に救済しない限り、全国の廃業や倒産はこれからも増えていくでしょう。願わくば業績が伸びても経営者が悩むことのない税制の仕組みを創ってほしいものです。 

2024年7月23日火曜日

引き際

 次期大統領選出馬を断念したバイデン大統領のように政治家が「引き際」を決断するのは並大抵ではないことが理解できます。しかし、一夜過ぎると後継候補に推されたハリス副大統領の登場で世界の目は変わります。企業でも同じことが言えるのではないでしょうか。大企業であれば社長も任期を終えると新社長が登場します。しかし中小企業の場合、オーナー社長が代わるのはそう容易なことではありません。

引き際を判断するのも決断するのも社長ですが、置かれた環境によって事情が異なりますので一様には物事は進みません。年齢の取り方も人それぞれで違います。バイデン大統領は81歳で、トランプ前大統領より僅か3歳上というだけですが、外見上でも年齢以上の違いを感じます。日本の経営者でも80歳でもかくしゃくとした社長もいれば、今年2月に退任した新潟県のある町長のように90歳でも元気な人もいます。

しかし引き際は重要です。私自身も家族から執拗に引退するように迫られたことと、結果的には金融機関からの提言とが合致して自分の決断が導かれたように思われます。繰り返しますが、引き際を決断するのは容易なことではないため、責任ある立場であればこそ何年もかけて十分な準備期間が必要です。残念ながら米国のバイデン大統領は決断が遅かったので、共和党のトランプ陣営と民主党陣営の選挙戦は益々厳しくなると予想されます。


2024年7月22日月曜日

人と人、国と国

ジェンダーギャップがOEDC諸国中、日本はもっとも大きいと言われて何年にもなります。実際問題としてDVやパワハラなど差別的な行為は後を絶ちません。何故なのか理由を聞かれても返答のしようがないのですが、おそらく加害者の育った家庭環境に影響しているのではないかと考えます。優しく育った人間は人に対しても優しく、強権的な言動の家庭に育った人間は人に対しても威圧的なのかもしれません。

私は父母の関係を知らなくて、就学前から高校卒業まで祖父母に育てられたので優しく育った人間だと解しています。妻とも45年近く同じ屋根の下で暮らしてきましたが、つい最近「あまり不満や愚痴を言わない人間」だと聞き、私自身が意外に感じた次第です。世の中で話題になるDVやパワハラ事件が起きることが事態が信じがたいのです。喜怒哀楽が激しい人もいるのでしょうが、私は鈍い性格なのか殆ど感覚的に変わらない人間のようです。

人と対立するより人と仲良くする方がお互いに良いわけですが、米国社会のように国民が分断する事態は中々収束は難しいと思われます。国と国の関係もお互いの立場を理解し合おうとすれば価値観の違いはあってもお互いに話し合いのテーブルに付けるはずです。暴力に対して暴力で対抗すれば勝負がつくまで対立は終わりません。国の指導者による国民の犠牲がなおざりにされているのが現状です。武力対立のない世界になってほしいものです。


2024年7月19日金曜日

日本人

日本人はハングリー精神がなくなったと言われますが、まだまだ諸外国に比べてハングリーではないから敢えてハングリーになることもないわけです。終戦後の日本は本当に貧困で国民もハングリーだったのでハングリー精神が自然に身に付いたのだと考えます。日本経済の高度成長はその精神があったから国民生活も豊かになったのです。成熟した現在の日本が今後どのような道を辿るか分かりませんが、政治が大変な間違いをしないかぎり経済が大きく落ち込み国民が貧困になることは考えられません。

しかし、新興国も年々経済成長してきますので、日本がいつまでも先進諸国としての立場を維持できるかというと断言はできません。GDPも世界第4位となりましたが、徐々に順位が下がり続けることは確実だと考えます。世界でも有数で勤勉な日本人が付加価値のない仕事をやる国へ転落して行くとも思えません。但し、これまでのような豊かな国を未来永劫も維持できるかというと結論としては若い世代のこれからの頑張り方次第だと考えます。

最近の若い世代はアスリートの世界でもかつてない程、世界中で活躍しています。スポーツに限らず、ビジネスの世界でも人材の育成方法を世界レベルで実践していけば欧米諸国に負けないと期待しています。日本人は勤勉で真面目ですから奮起するきっかけをつかめれば、もっと精神的にも豊かになれるはずです。資源のない国なので産業のイノベーションが起きやすい環境を整備していけば世界で活躍できる人材を発掘できると考えます。 

2024年7月18日木曜日

現場第一主義

 医療法人徳洲会グループの創設者で名誉理事長である徳田虎雄氏が先週10日に亡くなられて初七日が過ぎ、9日目の今日も朝から妻の付き添いで大船にある同グループ内の病院へ行ってきました。巨大な病院には今日も大勢の外来者が訪れていましたが、A棟からD棟に向かう途中の通路には、徳田名誉理事長を偲んでお元気だった頃の遺影の前に祭壇と記帳台、側には生き生きとした大きな泰山木(たいさんぼく)の生花が飾ってありました。

今日お話をしたかったことは、医療現場にはいつも活気を感じるという事で黙々らかというとリアルな現場が好きなタイプで、思考力だけを発揮する机上の仕事より実際に現場へ出向いて仕事をする方が向いていると考えています。医療現場は患者を救うという責務があり、関係者は仕事にやりがいの大きさを感じていることでしょう。医療の世界には好況も不況も関係なく常に人命の救護に携わっています。

日々、事務所内で黙々仕事をしている我々と医療現場とを比較すると、当然ですが全く違った環境のように映ります。仕事の遣り甲斐は、人に対して安心感や満足感を与えるために必死で尽くすことではないでしょうか。仕事には様々な現場がありますが、机上で想像しているだけでは現場は分からないので実際に現場を見て判断することが大切です。現場第一主義でマクナマラの誤謬と言われるベトナム戦争に学びたいものです。

2024年7月17日水曜日

プラス思考

 昨今、どの産業でも人手不足が叫ばれています。人手不足をマイナスイメージに捉える人が大半ですが、将来的に日本の人口減少は避けられないので、寧ろ逆手にとってプラス思考に捉えたいものです。今から50年前には日本の人口は国土(全国土37.8万平方キロメートルで平野部は14,000平方キロメートル)の狭さから、その割には人口が多く、欧米諸国と比較して人口密度が高いと言われてきました。

日本経済の高度成長期には1億数千人の人口が随分寄与したと考えますが、当時の専門家の間では人口が減った方が国民は幸せだという見方もありました。しかし、幸か不幸か少子高齢化が徐々に進み将来の人口は必ず減る見通しです。当然、産業界は労働者不足になり人手不足を補わなければなりません。そうなると人材の奪い合いでどこの産業も人件費を上げざるを得なくなります。

人件費が上がることで諸物価も高騰し、デフレに悩まされた日本経済も必ずインフレに向かうはずです。行き過ぎたインフレを抑えるには金利を上げますので自然と円高になるわけです。政府は賃上げの話ばかり産業界へぶつけてきますが、人手不足になれば需要と供給で賃金は徐々に上げざるを得ないのです。賃金が年々上がると消費も増え国内経済も好転します。

2024年7月16日火曜日

人生100年時代

 今朝の朝食会で某大学の教授から「人生100年時代の人生設計」についての講義を聴きました。月1度の中小企業経営者の集まりですが、現役の仕事を退いた後の第2の人生は中高年共通の課題でもあります。私自身もこれから何を趣味にしていくのかと周囲から聴かれることがありますが、正直なところ真剣に余命を考えて人生設計しているわけではありません。しかし、現実には知力も体力も老化していくので悔いのない人生を送りたいものです。

人生100年時代にふさわしいライフスタイルは従来と大きく変わるだろうとのことです。安定路線を歩むか変化を志向するか、これからは同調志向より自己主張をする時代になるだろうと言われています。私自身も変化を志向して社会活動や自己研鑽ができればと考えています。それぞれ人の気質は違いますので、自分に合ったスタイルを選択すれば良いのではないでしょうか。

夫婦でも親子でも気質は違うので他人と違って当たり前です。人並みにしようとか人の真似をしようと考えないことが大切だと思います。それが自己主張でもあるし自己満足のいく人生の送り方ではないかと考えます。どんなに頑張っても余命が伸びることはないので、これからはなるべく周囲に自分の人生を左右されないような人生設計を練りたいものです。若い人たちの邪魔だけはしないように生きたいですね。本日の講義は大変参考になりました。

2024年7月12日金曜日

気象病

最近、漸く世間で気象病という医学用語が認知されるようになりました。 10年近く前になりますが、確か名古屋大学の医学部教授がこの病をメディア等で主張されたように記憶しています。かつては本人は苦しんでいるにもかかわらず、周囲は単なる怠け病のように誤解していた面も多々あったように思われます。低気圧の接近で体調を崩して会社を休んだりする人もいたはずですが、関係者の理解も得られなかったりしたのではないでしょうか。

私自身も能天気なのか他人の苦しんでいる原因に対して長年全く無頓着でした。最近、漸く様々なところでこの病に関する説を視聴するようになり理解できました。気圧の変化が自律神経に影響することが医学的に証明されたのです。近年、人身事故が多発し続けていますが、原因の一つに気圧の変化が影響しているようです。決して無理をせず、気象の悪化で体調がすぐれない時には敢えて出勤を留まる心がけが必要です。

近年、地球温暖化の影響で異常気象が多発していますので、自律神経が乱れることは珍しくないのです。自分の身体は自分自身しかわからないので、他人の目を気にせずに自ら体調をコントロールしなければなりません。アレルギー症状も人それぞれです。お酒が強い人も弱い人も人それぞれですし、自律神経の敏感な人も鈍い人もそれぞれ存在するのです。人に無理強いをしない事が肝要なのですが、漸く周囲の理解が得られるような時代になりました。

2024年7月11日木曜日

病院王の最期

本日の午前中、徳洲会グループの創設者、徳田虎雄氏が7月10日午後8時15分に湘南鎌倉総合病院で死去されたというニュースを目にしました。享年86歳。私も9日に妻の付き添いで当病院を初めて訪れたばかりで、たまたま外来のフロアで見かけた徳州新聞を見て徳洲会の病院であることを知りました。この日はブログにも徳田虎雄氏の事について調べながら書いた次第です。

しかし、私的な用事で病院を訪れた翌日にまさかご本人の訃報のニュースが流れるとは想像すらつきませんでした。徳洲会グループの代表をしながら衆議院議員となって当時の医師会と対立されていた頃のバイタリティ溢れる徳田虎雄氏の勇姿が記憶にありましたので、ALSを患い長期療養生活を送られて変わり果てられたお姿を6,7年程前にTVで拝見した時はとても衝撃的でした。

人間は誰でも老いていきますし、病気を患うとその後の人生が一変します。誰がどんな病気を患うのか神のみぞ知るで運命みたいなものです。私自身も若い頃から何度も入院生活を経験していますので、健康の有難さは身にしみて感じています。毎日の食事が美味しく食べられ、平凡でも日々の生活や活動ができることは望外の喜びです。元気であり続けたいものです。



 

2024年7月10日水曜日

TV番組編成

 今年の4月からNHK・ETVの番組が一新され、おそらく多くの視聴者から好評を得ているのではないでしょうか。私も新しい番組の編成に賛同している一人です。これまで早朝の時間帯に数十年も続いてきた外国の語学番組が健康や医療に関する番組に代わり、高齢の家族世帯向きの番組になって注目されていると思います。語学を習得する若い人たちは早朝の時間帯には起きていないかテレビを見る機会も少なかったはずです。

我が家でも月曜から金曜まで毎日、新しく番組編成されたNHK・ETVの番組を熱心に見るようになりました。つまり健康や医療に関するものは中高年層に大変関心が深いからです。様々な医療の専門家の意見をテレビで視聴できる貴重な機会が家族が揃う早朝のお茶の間で与えられるようになったことは番組の大きな転換です。連日、医療の話だけだと気持ちが暗くなることもありますので、週の初めと終わりは心が落ち着いたシリーズものが放送されています。

NHKに対して様々な批判も世間には存在しますが、我が家では長年NHKのテレビ放送を主に見ています。最近はBS放送でメジャーリーグの試合も観戦できますし、全体的にドキュメンタリーや海外取材番組など実際に現地に行かなくても実体験するように視聴できるからです。説明するまでもないのですが、私自身は視聴料を払うだけの番組が十分に提供されていると考えます。朝のETV番組の編成がどのような理由で変更されたのか知りませんが大変評価しています。

2024年7月9日火曜日

ある病院の話

本日はかかりつけの医師の紹介で初めて「湘南鎌倉総合病院」を訪ねることになりました。大船駅からシャトルバスが出ていることも後で知ったのですが、戸塚の我が家からタクシーでもかなりの距離でした。病院に着いて受付している時間に病院の概要を調べたところ、大変驚いたことがありました。実はかつて徳田虎雄氏が理事長をしていた徳洲会グループの病院でしたし、晩年はこの病院の最上階の特別室で療養されていたことも調べてわかりました。

青春時代の私には徳田虎雄という人が日本の医学界において強烈な個性の持ち主に見えたからです。日本医師会と対立しながらも24時間365日オープンという診療方針で全国に病院を拡大したことも 、奄美群島の徳島の代理戦争といわれた故保岡興治氏との選挙争いも熾烈だったことを記憶しています。しかし、10万人に1人といわれる難病に侵されて体も動かず表情もほとんどなく変わり果てた姿をTVで拝見したことがありました。

以前にテレビで、第28回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品「トラオの夢 病院王・徳田虎雄とその時代」(制作・鹿児島テレビ)を拝見した記憶がありますが、徳田虎雄という人にはとても強烈な印象があります。病院を経営しながら議員にもなり医療改革を目指されたのは理解できますが、徳田虎雄氏の本当の使命とは何だったのだろうと想像したくなります。たまたま本日訪れた病院が巨大で徳洲会グループであることに驚き一言述べさせていただきました。


2024年7月8日月曜日

都知事選に思う

 東京都知事選挙も終わりました。結果は大方の予想通りでしたが、既成政党に対する都民の信頼性が薄くなってきていることが判明した選挙結果でもあったような気がいたします。近年の日本の様々な面での欧米と比較した遅れには政治の責任に帰する面が大きいからです。私自身には投票権はありませんが、私の知人は当初本命を支持していたにもかかわらず、投票日には無党派候補の新人を推していました。

フランスでも極右政党の28歳の党首が中道のマクロン政権を脅かす勢力のようです。先進国でも既成政党に対する国民の不満が高まってきているのでしょうか。日本も無党派層の勢いが今後の政局に影響を与えるのではないかと考えます。かつて金権政治に反旗を翻して河野氏が新自由クラブを立ち上げたり、日本新党が旗揚げされて野党連合の細川政権が誕生したことがあります。現在はそのようなパワーのある政治家が見当たらないのが残念です。

国民にとって選挙で投票することが唯一の権利でもありますので、若い方たちには自分の将来を考えて積極的に投票へ参加してほしいと考えます。今回の都知事選挙の結果は投票権のない隣県の我々から見ても今後の政局の動きに注目すべきであると思われました。残念なのは、当選は不可能と自ら分かっていながら売名行為に近い立候補者が多くて、品位のある選挙戦とは言えなかった部分が多々あったように感じました。

2024年7月5日金曜日

政権交代

 英国で14年ぶりに労働党政権が誕生しますが、同じ議会制民主主義国家の日本に果たして政権交代の時期は来るのでしょうか。今のところ日本で政権が交代するような兆しはありません。仮に総選挙で与党の自民党が惨敗して政権交代の可能性が出てくると、おそらく政治・経済に混乱を招くと思われます。つまり、日本では野党勢力に政権を担うほど国民からの信頼性が欠けるからです。

かつて民主党政権が成立した時は、これからは政権交代が可能な時代になるものと国民は期待しました。しかし、発足したばかりの民主党政権は現実離れした政策が並べられ、結果的には国民の信頼感を損ねてしまいました。私自身も新政権に期待していたのですが、多くの国民と同様に失望してしまいました。さらに各政党も小党に分裂して現在の状況に至っています。

かつての中選挙区制の選挙制度より、政権交代可能な選挙制度として小選挙区比例代表制が誕生したのですが、残念ながら現在は政権交代もできない選挙制度となったようです。政権交代がなければ政治も経済も国政に緊張が伴わないので進歩しないと考えます。失われた30年といわれるのも、政権交代が可能な欧米諸国と比較しても政治そのものが遅れているからだと考えます。

2024年7月4日木曜日

人権の保障

 三権分立で司法権が独立していても、肝心の立法府である国会が法律を制定しなければ法律は施行されません。昨日は旧優生保護法も立法から48年間も改正されないで日本国憲法違反のまま放置されてきました。昨日の最高裁大法廷は旧優生保護法が人権が差別されており違憲であると国に賠償を命じる判決を言い渡しました。

大学で法律を学んできた者として今回の判決に強い関心を抱きました。またNHK朝ドラでも「虎に翼」を毎日視聴していますが、裁判所の役割とともに国民の人権が「法の下の平等」として憲法14条で保障されていることも現実味を帯びてきています。男女の人権に関しても日本人の考えが未だに欧米諸国に遅れていることがわかります。

昨日の新紙幣発行で、渋沢栄一が明治維新の経済復興に寄与した人物として注目されていますが、三淵嘉子も女性初の弁護士、裁判官としてTVを通して実在の人物として描かれていますし、津田梅子も既に朝ドラで描かれてきました。平和を重んじる女性の活躍が世界的にも一段と必要な時代だと考えます。

2024年7月3日水曜日

奨学金

 かつては地方出身の若者が上京して働きながら進学するという苦学生が一般的でしたが、現在ではかつてのような苦学生も見られず、家庭的に裕福な若者が進学のために上京する場合がほとんどのようです。私が加入しているふるさと会の傘下でも苦学生に対する育英会として奨学金制度が古くから存在しますが、最近の若者は奨学金の使途を在学中の旅行費用などに充当しているので、支給を検討しなければならないことを関係者から耳にしました。

時代の変化で学生自身の考え方も変わるものですが、かつてのように学問を学ぶために遥々上京して働きながら進学するような時代ではなくなっています。寄付によって集められた大切な基金としての奨学金なので、申請すれば無条件で支給するというのではなく、支給条件に該当するかどうかを審査した上で支給を決定しなければなりません。

かつてと現在が異なるのは、裕福な家庭の子は上京して進学するが、貧しい家庭の子は働いてまで進学を目指そうと考えなくなったということです。残念ですが、家庭における経済的な格差が現在においては広がり過ぎたことが原因のようです。日本もドイツのように大学を卒業するまで国が費用を負担するような国になれば良いのですが、日本の国家財政にそのような余裕はないので民間レベルで奨学金として考えなければなりません。



2024年7月2日火曜日

激化する人材確保

1970年代の高度成長時代には高卒者は「金の卵」で、大企業が地方の高校まで求人に力を入れていました。私の高校でも同期の大多数が大企業へ就職していきました。先日の同窓会も大企業を定年退職した仲間がほとんどで、みな老後を楽しんでいるようでした。実は日本も少子高齢化が進み、企業も人手不足で新卒者の奪い合いが今後益々激しくなり、人材の確保が一段と厳しくなりそうな気配がします。

情報によりますと、高卒者の給与も大卒並みに引き上げて人材確保を有利に進めようとしている企業もあるようです。確かに今後人材を確保するためには、優秀な高卒者を採用して企業で育てることも必要となります。今や大学も定員割れするところも出てきて、大学の経営も厳しくなる傾向にあり、より多くの学生を集めて大学も生き残りを図るために無試験で入学できる制度を拡充しようとしています。

つまり高卒者が大学に行く目的が薄れてきているような気がします。就職のために大学へ進学しなくても、専門能力を身に付ける様々な進路の選択肢が存在する時代だからです。デジタル能力に精通した若者が高卒者でも大勢誕生してきますので、人材として大学卒でなければならない理由もないわけです。ひょっとすると高度成長時代のように高卒者の人材確保が激しくなる時代へ逆戻りするかもしれません。今後、人材確保はさらに激化します。 

2024年7月1日月曜日

同窓会

 先週末は故郷「あまくさ」の高校同窓会のため福岡へ出かけてきました。パリ五輪同窓会と命名しまして同時に古希を祝う目的もありましたが、何と出席者数は高校同期OBの約25%が元気よく集いました。当時は規模の小さな高校でしたが、卒業後は名幹事の下で定期的に同窓会を続けてきましたので、半世紀を過ぎた現在でも再会を楽しみに仲間が集まるというわけです。

当時は創立5期目の新設高校でしたが、今日に至るまで同窓会を集団で継続している卒業生OBは皆無です。学卒早々赴任された担任の先生も早80歳、他にいつも常連で出席されていた先生も高齢者施設へ入居され、長い歳月の経過を感じました。80歳の先生も、高齢にもかかわらず大変ご元気で今でも予備校で仕事を続けているような方です。

担任の先生からは、「半世紀以上過ぎても教え子から温かく迎えられる自分は教師人生の冥利に尽きる」というような挨拶でした。お昼から4時間半にわたる同窓会の宴会は充実し大変盛況でした。開催場所は同級生の経営するプロ野球選手たちも出入りする有名なフランス料理店を終日貸し切りで、一流シェフの友人が自ら次々に調理して美味しい料理を振舞ってくれました。