2023年5月25日木曜日

小津安二郎展

 日本を代表する映画監督の一人、松竹映画の小津安二郎監督の没後60年を記念した展示会が開かれています。小津監督は1964年の東京オリンピックの前年の1963年に60歳で亡くなられています。墓地は鎌倉の円覚寺にありますが、コロナ前ですから5年くらい経つと思いますが一度墓参りに行った時に珍しく若い学生風の人が来ていました。若い方だったので思わずどちらからですか?と訊きましたら、中国から来た学生だということが分かりました。

日本人でも知る人ぞ知る名監督ですが、中国の学生が小津監督に関心を持っていることに正直驚きました。小津監督も兵役を含め30代後半から42歳まで映画を作れない時代を過ごしました。本格的に名作を世に出し続けたのはほんの20年間にも満たないのですが、日本人の心に家族の日常や人生の悲哀を映像を通して表現してくれているのです。もし戦争が無ければもっと多くの作品を残されていたでしょう。

私も展示会を閲覧して、ご本人の書かれたノートやメモ帳を拝見してみて詳細な記録と筆跡からかなり繊細で几帳面な方だったのではないかと想像しました。私も名画と言われる洋画も観てきましたが、邦画の良さは何といっても日本の文化と奥ゆかしい人情の悲哀が独特だからです。個人的には松竹の山田洋次監督の作品が大好きですが、監督があとどれだけ作品を世に残して頂けるのか気がかりでもあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿