2018年9月28日金曜日

在りし日

地方の高校を卒業してボストンバッグ一つで、実家の反対を終いには押し切り上京して、東京都北区志茂という住宅地にある新聞販売店に住み込みました。荒川は近くだったと思いますが、浪人中の1年余りの生活だったので勉強と仕事が唯一の日課で荒川へはおそらく行ったことは無いと思います。あの1年は、大袈裟に言いますと私の命も19歳で最後かという思いをしました。と言うのは、当時たまたま休みをもらって、浪人中ながら一人で富士五湖周辺の見物と富士登山の旅行をしたのです。数日後戻ってきた翌日、転げ落ちるほどの痛みで救急車で病院に運ばれたら急性盲腸炎ということで即手術となりました。富士山の登山中でなくて本当によかったのですが、医者の話では盲腸が癒着して悪化していたとのことでした。休めない新聞配達の仕事の中で、幸いにも骨休みにはなりました。この手術の後が長年にわたり炎症を起こして、30年後には間違って癌だと言われて手術したほどです。上京して1年目の二つ目の不運は、恥ずかしい事ですが痔の手術をしたことです。高校時代から症状はあったのですが、浪人するにも上京して働かざるを得ず、新聞配達中は痔がひどくて自転車のサドルに腰掛けることも出来ないこともありました。結局、そのうち症状が酷くて仕事も出来なくなり、また緊急入院して手術をする事になったのです。受験勉強をしながら二度の入院生活を経験した1年でした。

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