今、今年最後とも言える満月を眺めています。2025年の12月も1週間が過ぎました。あと3週間足らずで今年も終わります。最後の映画鑑賞となるのか、先日封切られた山田洋次監督の映画「TOKYOタクシー」を観てきました。たまたま出会った個人タクシーの運転手との車の中でのやり取りを通して、運転手の現在と、主人公の過去の人生に遡っての物語が山田監督特有の家族を描写したものでした。
個人タクシーの運転手(木村拓哉)が主人公の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京から葉山の高齢者施設まで送ることになって、東京の見納めにいくつか思い出の場所へ立ち寄りながら、現地へ向かっていきながら長距離運転を通してストーリーは展開していきました。結果的には主人公は心臓の病も抱えて余命いくばくもなかったのですが、運転手との人生のやり取りで過去を振り返りながら目的地(葉山)へ向かっていきました。
人には様々な人生があり、若い頃の経験をなかなか他人には打ち明けられないものですが、運転手との二人だけでの長い旅の中でふと人生の過去を振り返るという人間同士の心の対話を掘り下げたものです。クライマックスは身寄りのない主人公の高野すみれが財産を処分して、他人である運転手の家族に旅のお礼としてタクシー代を含めた1億円の遺産まで残して再会することもなく死んでいったのです。心の和む作品でした。
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