2019年6月5日水曜日

人材

かつて製造業(メーカー)が不況のとき、理工系の大学生が大量に金融機関へ流れたことがありました。デリバティブの開発等とか言われていましたが、当時、日本のモノづくりももうお終いだと思ったことがあります。いつか某銀行の支店長が、銀行の商売は人の金を運用して商売しているので、モノづくり産業のほうが金融より立派だと話していました。私も学生時代は就職難でしたが、お金を勘定する仕事はどうしても好きになれなくて、金融機関への就職は進路として一度も脳裏に浮んだことはありませんでした。しかし大方の優秀な学生は毎年競って金融機関へと就職していました。何故なのか、ひょっとしたら倒産が無くて安定した仕事からなのか、世間体がいいからなのか、通常の産業より生涯年収がいいからなのか分かりませんが、金融機関の人材はおしなべて優秀です。数字の強いこの方たちがIT業界へ就職してくれたら日本も変わるのになぁと思ったことは何度もあります。しかしバブル崩壊で、銀行も倒産しましたし、経営統合も普通に行われるようになり、あっという間に人員削減まで聞こえてくるような時代に変わってしまいました。今後、数年で学生の就職先が金融機関から別の職種に移り変わる、いわゆる産業の構造改革とでも言う異変が起きることは間違いないと思われます。金融機関ももっと絞り込まれて数を減らし、今後、他の産業へ人が吸収されていくことが世の中的には望まれるでしょう。優秀な人材が成長産業に流れることが日本経済にとってこれから一番必要なことだと思います。

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