2018年12月14日金曜日

説得力

かつて会社経営において経験した苦労の一つは、自分の考えを部下に浸透させる事でした。経営者である私自身が当時まだ未熟で、非力で、尊敬に値しない存在だったのでしょう。もちろん説得力の無さも大いにありましたが、聴く方にも理解力や想像力や聴く姿勢が欠けていたのか、当時は中々本心が通じないで空回りして私自身悩むことも多かったようです。簡単にいうと原因はすべてにおいてキャリアの無さですが、不思議なことにキャリアを重ねるとそのような苦労をする事も悩む事もなくなります。相手を説得するにはある程度、折衝においてもセンス(要領)が必要と思われます。しかし、このセンスは一朝一夕には身に付きません。相手に話が通じないのは、結果的には説得力に欠けると判断されて自分の考えに理解が得られません。その力を付けるには折衝する経験を若い頃からひたすら鍛えるしかありません。つまり場数を踏むことです。交渉において先ずこちらの考えを主張することが最優先ですが、必ず立場の違う相手の考えと渡り合うことになりますので、交渉を成立させるには、現場で落とし処を探り、物事を結論に導くには、自らに説得力がなければなりません。たまたま私が会社経営で生き残れたのは、20代の頃からお客様を説得する力を経験で身に付けたからだと思います。人生には時間が限られていますので、自分の能力を伸ばすには、そのファクターとなる事象に自らの時間を上手く配分して、様々な場面に遭遇する経験を人一倍持つ事ではないでしょうか。

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