2018年12月18日火曜日

原発の話

原発輸出が暗礁に乗り上げている感があります。政府は原発輸出を成長戦略に盛り込んでいたようですが、福島原発事故を契機に安全性へ厳しい基準が課されて、一機の建設費が5千億円から1兆円へと、原発建設コストが倍増しかねないとも言われています。海外での原発建設商談が進まないのも国内メーカーとして採算が取れないと判断されているようにも感じられます。福島原発事故の真相原因も明らかにされない中では、国内の原発新設は国民世論としても事実上無理と言われる中で、海外へその技術を輸出することが果たして政策として妥当なことなのかと思うわけです。最近は海外のプラント建設でも巨額の赤字が報道されているので、国内の技術を輸出して収益を上げることも海外勢との競争激化で次第に難しくなってきているようです。しかし、現実には将来に向けて国内原発の廃炉にも多額の費用と技術が必要となります。国のエネルギー政策はこれからも原発がベースロードの発電源だと言われているため、輸出が無理となれば今後の政府の対応が注目されます。個人的には、核廃棄物の保存箇所も政治的に示されないままに、原発を使い続けることへの疑問はあります。技術の継承が無ければ、何十年も廃炉作業を続けることも難しいと思いますが、新たな技術を育てつつ、これまで通り原発技術の輸出を継続すると考えるならば、政治的なメッセージが明確に示されるべきだと思います。

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