2020年11月17日火曜日

潔さ

米国のトランプ大統領が「敗北を認めない」ことが話題となっています。不正を主張すればキリがないし、コロナ禍の中でも結果的に大差で敗北したことは、それだけ政権の継続を危惧する国民の存在が大多数だったのだと思います。私は敗北を認めないトランプ大統領のことで、戦前・戦中の我が国のことを思い浮かべました。

戦時中の日本陸軍総司令部も戦争継続の強硬な姿勢を崩さず敗北をなかなか認めなかったが為に、天皇陛下によるポツダム宣言の受託が遅れたと言われています。日本全国が火の海になっても国民総動員で戦い続けようとしていた当時の軍部には理解しがたい面はありますが、それが戦争だと思うのです。

早めに潔く敗北を認めれば国民の被害も最低限に回避することができますが、当事者が仕掛けた戦争では最後まで敗北は認めたくないので戦い続けようとするのです。自分よがりだと言われてもリーダーはまったく気にしないので、周囲の対応は割れて収拾が大変困難となります。

企業社会やスポーツの世界では白黒がはっきりしますので、潔く負けを認めるのが普通で、その方が寧ろ人間的に好感を持たれます。しかし戦争は勝敗が見えても最後まで戦おうとしますので、お互いに多大な犠牲を被ることになります。

戦争経験者が皆「戦争だけはしないように」と遺言のごとく、戦後世代に語り掛け続けてきたことを我々は何度でも深く肝に銘じるべきです。結果的に米国による原爆の投下が戦争終結に至った要因だと言われていますが、潔く敗北を認め多大な犠牲を回避するべきです。

 

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