2021年11月10日水曜日

母のプライド

私の母(実母)は12年前に86歳で亡くなりました。私が6歳頃に協議離婚で旧姓に戻り、途中再婚しましたがやがて離婚し、旧姓のまま生涯を終えました。独居老人として20年間は一人アパート生活を送っていました。当然、私は実子の一人でもあるので最後の高齢者施設での生活の面倒を見ました。

戸籍上は除籍しており独り身なので、老後は役所から生活保護を受けた方がいいと何度も勧められたようですが、大正時代の頑固な気質とプライドが強く、生涯他人の世話にならないという意志の強さがありました。背後に子どもがいるという安心感もあったからだと思います。

今朝のニュースによると全国で1万9千世帯が生活保護費を受給しているようです。中には仕事もしないで生活保護を受けている世帯もあると聞きます。コロナ禍で仕事を無くした方も多いと思いますが、私の母は70代の頃もお茶屋の行商をしながら一人で生きていました。

独り身で自立するために50代で運転免許も取り、一人でお茶のお得意先を地道に開拓して、僅かな国民年金と自分の行商での稼ぎで日々の生活を支えていました。

母は7人兄妹の長女としてかつては裕福な家庭に育ち女学校まで出ましたが、戦中戦後、当時としては珍しいほど結婚生活で躓き、人並みに恵まれない人生を送りましたが、自分なりに幸せだったのではないかと思います。

 

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