時々、メディアで日本のGDPが世界の時価総額トップ10の大半を占めていた1989年のバブル時代と現代の時価総額ランキングが比較されますが、当時はトップ10の大半はバブル時代の不動産貸し付けで大儲けをしていた日本の銀行で、民間企業はNTTとトヨタ自動車くらいでした。失われた30年と言われますが、バブル時代から日本の成長戦略は明確ではなかった気がします。
IT業界などあまり注目されずバブル崩壊時には不動産業やソフトウェア産業には銀行融資は控えられていました。融資する側からは実体のない不安定な業種だと認識されていたのです。その後、円高で国内の製造業が立ち行かなくなり、中国などに製造拠点が移っていったのです。空洞化した国内産業に代わる成長戦略が描けず今日に至ったのです。
その間、米国との経済格差も広がり、高度成長を果たした中国にも先を越されてしまいました。今やドイツやインドにも追いつかれ、2026年には名目GDPで5位に転落する見通しです。アベノミクスで果たせなかった成長戦略を再び高市新政権は目指そうとしているようです。積極財政政策と主要国で最悪の水準である政府債務残高(GDP比236%)との兼ね合いが最大の課題です。
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