2020年5月4日月曜日

共有感

学生時代に一時(いっとき)の間、東京都中野区の沼袋と野方の両駅近くに住んだことがあります。上京後、新聞配達のアルバイト先を探して見つけた二か所目の新聞販売所のあった住居地ですが、そこでの私の担当新聞配達区域に国立中野療養所という結核の大病院がありました。結核の病棟なので新聞は入院の患者さんが病院内を配達していたので、こちらは新聞の束を患者さんに届けるだけでしたが、周囲に建つ看護師さんの寮には直接各戸まで新聞を届けていました。当時は医療関係者の方たちや患者さんと郊外に位置する特殊な環境で世間話をする機会が多くて、その方たちの人間模様に触れる経験は、貴重で滅多にあり得ないことだったからです。単なる住宅街の配達では見聞できないような人たちとの会話は、まだ青春の20代という若さだった私にとって忘れがたい思い出となっています。今、新型コロナウイルス感染治療のため日夜医療関係者が危険に身を晒して尽力している姿は想像しにくいですが、私自身も若い頃に入退院を繰り返した経験もあり、医療関係者の方には大変お世話になりましたので、今日に至っても当時のことを色々と思い出します。客観的な立場と主観的な立場を経験したが故に、今も入院を続けている患者さんの気持ちとそれを献身的にサポートしている医療関係者の方々の生き方に共有感を抱く次第です。

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