2020年4月15日水曜日

父の話

先日は母の話をしましたが、今回は父のことに触れます。私は父母のことを「父さん、母さん」と呼んだことは一度もありません。つまり、幼いころから一緒に生活をしたことがなかったので、照れくさくて親しく呼べるほどの実感がなかったのです。実は父のことは殆ど知らないと言った方が正解です。では何故、父のことを書くことにしたのかと言いますと、理解しがたい過去ばかりで正体が不可思議だからです。祖父母も親戚も表面的な事しか話してくれないし、母も子どもに対して父のことを詳しく触れたくなかったのでしょう。私が知っている父のことは、周囲から聴いた話と自分なりに想像した部分だけのものです。旧制中学から旧制高校へ進学して、戦時中は学生予備隊として終戦まで土浦の海軍航空隊に所属していました。終戦があと何日か伸びていれば特攻隊でこの世に居なかったようです。 終戦後に大学へ戻ってから、就職と同時に見合い結婚して二人の子供に恵まれたのですが、二番目に生まれたのが私です。私が生まれる前、母が妊娠中には夫婦間は既に冷えきっており、夫婦は別居生活でしたが、母の親戚からの説得で離婚を承知で私を出産したとのことです。当然、物心がついたときには父の姿はなかったので、初めから存在しないものだと思っていました。父の姿を初めて見たのは、母から連れられて行ったところ、つまり父が再婚して住んでいた家で会ったのが初めてでした。何故、その時に母が父と会ったかというと、私の扶養と離婚届の件だったと思います。それから先は父母とは別居で父の実家で祖父母に預けられましたので、両親とは育児放棄の下に親子という縁が次第に薄くなってしまったのです。このような話を最後までお読みいただき有難うございました。

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