2021年6月22日火曜日

負債

日本も低金利が定着して長期に及びますが、翻ると金利を上げられない経済状況が30年以上も続いているという事です。企業の借入が低金利であることは経営的には助かりますが、市場がデフレ基調なので、企業の収益性も中々伸び悩むことになります。利益が上がらないと上場企業では株価も上がらず市場からの資金調達で先行投資をすることも難しくなります。日本企業のこうした流れは今に始まったわけではありませんが、失われた30年と言われているのもGDPの伸び率が欧米諸国や周辺諸国と比べて遥かに低いからです。

昨日の記事では、人口が我が国の4割の韓国にも防衛予算で23年には追い抜かれるとの事です。我が国の防衛予算は何年も前からGDPの1%でおよそ5兆円とされていますが、韓国は少しずつ増額しGDPの2.7%と言われていますので、増強しつつあるようです。中国のGDPは近い将来米国を凌ぐと言われていますが、防衛予算も膨大で今や我が国の4倍となり周辺国にも脅威を与えています。経済が成長しないと国家の防衛にも影響を及ぼします。地政学的に日本の安全保障を支えるためには経済力に見合った国力も必要となります。

経済が成長しなければ税収が増えず国は国債を発行して国費の財源を作ります。個人生活に置き換えると常に借金に頼って生活していることになります。「借金も実力の証」だと言われていた古き良き時代もありましたが、国家も同じで、事業で得た利潤で借入金を返済することは容易でないという事です。借入金はそもそも他人のお金で利子を付けて返すものですので、自己資金としての内部留保を確実に蓄積しなければ事業の拡張も投資もできません。近年の日本の企業は収益率が低いので海外との競争で差を付けられているのだと思います。


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