2024年8月28日水曜日

ハードからソフトへ

 30歳を過ぎてたまたまの縁でコンピュータ業界へ転向しました。40年間近く業界に身を置いてきましたが、日進月歩のテクノロジーの変化を経営人生の中で経験して本当に良かったと思います。平成のバブルが崩壊して日本も産業構造の改革が叫ばれていた頃に、シリコンバレーの先端企業の視察団として参加しました。当時はメインフレーム(大型汎用機をホストとする)時代から分散処理の時代へ転換していく頃でした。

マイクロソフトの時代が到来して間もない頃でしたが、シリコンバレーは雨後の筍のように新しいテクノロジーを有した企業が続々と誕生している時代でした。やがて当時、隆盛を誇ったサン・マイクロシステムズもこの世から消え去ってしまいましたが、結果としては急速なテクノロジーの変化でライバルとの競争に追随できなかったからです。このようなコンピュータ業界の浮沈現象はずっと続いています。

日本はハードウェアには強いがソフトウェアには弱いという時代は今に始まったわけではないのです。結果的にはハードウェアの時代も去り、ソフトウェアに重心を置くIT業界の時代に変わってきたのです。ナスダックのテック企業の殆どがITで世界的に成長してきたところです。同じモノづくりでもハードとソフトでは付加価値も成長力も違います。失われた30年と言われてきましたが、日本がITを重視せず生産性を高めて成長してこなかった原因がよくわかります。


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