2018年6月7日木曜日

技術よりニーズ

戦後の日本企業は、大衆のニーズを上手く掴み、国内市場を中心に新商品を世に送り出してきました。しかし、経済がグローバル化してくると、海外市場のニーズを早期に取り込まなければならないのですが、海外のライバル勢と比較して対応のスピードが遅いために後塵を拝するどころか、やがて市場からの撤退を余儀なくされます。つまり、国内の成功体験に依存した技術力をニーズに優先してきたからではないでしょうか。IT業界においても、自社で開発投資して、既存の商売では儲からないので、パッケージソフトで一攫千金を狙い、会社の経営が傾いたケースはごまんとあります。日本企業がマーケティング力に弱いのは今に始まったわけではありません。学校教育においても、考えさせるより、詰め込みを良しとして、自ら創造する力を持った人材を積極的に育ててこなかったからではないでしょうか。市場のニーズを掴まなければ、技術的に優れていても、新しい挑戦が無ければイノベーションは生まれません。顧客の喉から手が出るような商品の発想は、日頃から顧客先を歩き、様々な人と接して、現場で困っている状況を掴むことで、鵜呑みにしない自社の発想が生まれてくるような気がいたします。M&Aを仕掛ける側の根底にも、その考えが必要と思われます。

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