2024年9月27日金曜日

史実の公開

歴史は時を経て新事実が発見されるものですが、 先日のNHKスペシャルで太平洋戦争中の硫黄島での日米戦争時に従軍カメラマンとしてオランダの一兵士が撮影した千枚に上る日米戦争から敗戦後の日本での写真が遺族によって公開されたことと、サイパン島での日米戦争時の音声録音が80年の時を経て米国によって公開された内容のドキュメンタリー番組はとても見応えがありました。双方の政府によって戦争の生々しい記録は隠ぺいされてきましたが、事実が公開されることで将来は歴史の見方も変わってきます。

NHK・TVの「映像の世紀」や「NHKスペシャル」という番組はこれまで欠かさず視聴してきました。人間は直ぐに忘れるので歴史番組を録画して再び事実の一編に触れることはとても大切なことです。世代間によっても考え方も変わるし、社会情勢が変化すると史実の見方も判断も変わります。先日もドイツのメルケルが無名の人物から首相に上り詰めた経緯やプーチンが大統領に至る経緯のドキュメンタリーを繰り返し観ていますが、「覆水盆に返らず」で歴史は時のリーダーによって良くも悪くも変わります。

我が国では80年過ぎた長崎の原爆被災者の保障問題が未だに裁判で論議されています。昨日の袴田事件の地裁判決で裁判長が原告の袴田さんの姉に対して58年もの長きにわたり裁判が長引いたことを詫びていましたが、冤罪を長引きさせない再審法の改正がすぐにでも議論されるべきだと感じました。朝ドラの「虎に翼」でも1978年(昭和53年)に最高裁で違憲判決となった「尊属殺人」重罰規定も判決が出てから17年後の1995年(平成7年)に漸く刑法から削除されました。日本の法律施行も史実の公開も時間があまりにも掛かり過ぎるように感じた次第です。

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