2022年3月7日月曜日

成長時期

東京の大学を卒業して就職した会社での初めて勤務地は札幌でした。事前に殆ど何も知らされないで、薄暗くなった夕方の空港に迎えに来てもらって連れていかれたのは、市街の中心部からかなり隔たった地域にポツンと明かりが見えるプレハブの建物でした。

その隣には明日から働くプレハブの事務所があり、夕食時に到着した所もプレハブの社員寮でした。翌日から寮生活が始まり、朝食を終えて隣の事務所に1分もかからず出勤です。約3か月の寮生活でしたが、現在の妻が勤めていた会社を退職して結婚することになっていましたので営業事務職として自分のアパート探しも仕事の一つでした。

就職時にはオフィス勤務だとばかり考えていましたので、最初から現場事務所勤務というのは驚きでした。それに会社として北海道で一番稼ぐ現場事務所に送られたことが、様々な経験を通じて後々の自分を育ててくれたのだと思います。入社1年目は上司の先輩がいましたが、2年目には事務所全体の経営管理と実務を任されました。

2年目には新人も育てて他の地域に赴任させる役割も担いました。周りは先輩社員ばかりでしたが、道内で最大の事務所を担っているという責任感も自覚していました。毎年同じ仕事ばかりで事務職だけでは会社の戦力にならないと考えて現業を兼務しながら営業活動を始めました。そのことが奏功して新しい事務所を立ち上げることを任されてしまいました。

まったく知らない業界へ転職してもゼロから一を生み出す力が出せたのは、前職時代の野原を耕し、花を咲かせるような地道な経験で培われたものです。現在の会社も第2創業時にすべてゼロから顧客づくりをしましたので、かつての経営陣はまったく知らないお客様ばかりです。やはり会社をつくる時は独力で顧客を開拓すべきですし、人任せするなら会社はつくらない方がいいと思います。

私の経験を振り返りますと、社会人になって数年が社会人人生の一番の成長時期だと考えます。自分にはまだ困難だと思っても、先輩方に聴きながら経験することで大きく成長します。




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